目を覚ますと、太陽は高度を下げつつあり東向きのベランダは日陰となっている。
わすれな草色とでも形容すべき空の色と、向かいにある夕日を浴びたマンションの乳黄色のコントラスト。
一歩引いて狭い部屋を見渡してみる。
もうじき夜が来る。
やるべきことが殺風景に机の上に積み重なっている。
明日の朝までに、処理できるだろうか。
成人式の日だった。
街へ繰り出せば、振り袖・ドレス・スーツに身をつつんだ若者たちに出くわすだろう。
決して私が入ることはなかったその輪の中。
あいつは、この一度しかない日を、楽しむ選択はしているのだろうか。
恐らく、。
稼いでも生活できなかった20歳の頃。
ホールで深夜まで、同い年の着飾ったお客様を何人も出迎えた。
一人一人にお祝いの言葉をかけた。
自分自身は社会から必要とされない20年もの間、無駄に長生きをしてしまったクズ。
何がめでたいのかよくわからなかった。