コンビニに入ると、奴と最初に訪れたときと同じ店員さんがまだレジにいた。
純が髪を乾かしている間に私はメイクを落とした。
先程と違う男を連れやってくる、またスーツ姿のままだがすっぴんになっている、なんて奇異であろう。
と思ってるのは私だけであろう。
ATMでお金を下ろし、歯ブラシの他に、さっき使い切ってしまった牛乳と食パンをかごに入れる。
奴に頼まれたコンタクトの保存液を持った純は、棚ががら空きになった弁当コーナーと、カップラーメンのコーナーを何度も行き来する。
〈まだ食べたりないのかよ…〉
店に入ってすぐ、なんか作ろうか?と声をかけたときには、やんわり断られた。
会計を済ました後、一番大事なことを思い出した。
「ちょっと外で待ってて」
生理中だった。
泊まりで一番心配なのは風呂と寝るとき。
シャワーを浴びたかったが、この状態で風呂を借りる勇気は無かった。
バイトを終えすぐ帰るつもりだったから、夜用はバッグに入れてこなかった。
しかも先日ドラッグストアで安売りだったときに買ったのが家に大量にあるのに。
不覚の連続。
奴や和馬はともかく、自称女の子慣れしていない純に、これを買う姿はあまり見せたくなかった。