Startin' over…
ストーリー形式です。 拙文ですが、初回から読んで頂けると光栄です。 お気軽に感想、叱咤などもコメントなさってください。
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最果ての港町を取材する。

祖父の葬儀、親父のガン、自分の引越し。

そんなことをものともせず、スーパー大空に乗ってどのように記事を組み立てるかを画策する。

いつも直前になるまで何も考えてない。

元々は生きる気力さえない。

 

親父のガンが告知されたとき、母親にこう言ったらしい。

 

「もう命長くないから。」

そう言って懲りずにマイルドセブンの煙を吐き出す。

生き様は、いっしょだ。

遺伝子とはこうも恐ろしいものか。

 

「27になったら、もう、いいかな。」

自分自身に向けてか、誰か向けてかは忘れたが過去にそうつぶやいたのを覚えている。

あとは死までの時間を浪費するだけ。

幸いなことに、奨学金の返済という死ねない理由がある、4年前から。

お腹がふくれるならそれ以上は求めない。

だから稼がなければいけない。

卒業判定は出た。常に締切に追われれば、余計なことを考えずに済む。

ひねくれてしまった性格故の視点とを生かせて、出来るだけボロボロになれる職種。

去年の6月、運良く故郷のメディア企業に内定を頂くことができた。