以前、売却を依頼された売主さんの話です。

その物件は、築3年のきれいな中古住宅でした。

売却理由は、仕事が忙しくなり通勤が苦痛になったため都心のマンションへ買い換えをしたいということでした。


物件自体は、駅からも近く、築浅ということもあり、不動産業者からすれば売れ筋の物件でした。ご夫婦二人だけでお住まいということもあり、室内は新築同様、ヴィンテージの家具が置かれた素敵な部屋でした。


そんな物件ですからすぐに売れると思っていました。最初の案内が入るまでは・・・。


レインズに登録すると案の定、すぐに案内の依頼が入りました。日程調整をして案内の立ち会いに。そこで見てしまったのです、この売主さんのすさまじいまでの弾丸トークを。


売主さんの弾丸ストークは、玄関からスタートしました。売主さんがなぜこの物件を選んだのか、からはじまり、下駄箱の説明、お風呂の説明、床の材質から陽の当たり具合まで、1階の説明だけで30分。いかにこの物件が素晴らしいかについて、立ったまま聞かされるのです。


1階が終わると次は2階へ。2階も同じようにキッチンの説明からリビング、寝室の説明まで、材質から使い方、その上、近所にどんな人が住んでいるかのご近所自慢まで、その時間たるや更に40分。合計で1時間以上の弾丸ストークが繰り広げられたのです。


最初は、熱心に聞いていた買主さんも途中からはうんざりした様子。失礼がないように相づちは打つっているのですが明らかに口先だけ。最後は、案内業者が「次の予定がありますので、申し訳ありません」といって説明を打ち切っていました。


売主としては、自宅の魅力を十分に伝えたかったのでしょうが、得てして多弁は功を奏しません。しゃべればしゃべるほど、買う気は失せていきます。


では、どうしたらいいのでしょう?

それは、質問されたこと以外はしゃべらないことです。


通常、物件の説明は営業マンがします。彼らは、成約させるために彼らなりのストーリーを組んでいます。腕の良い営業マンになればなるほど、お客様の反応を見てその場でストーリーを組み直していきます。ですから、彼らのストーリーに不都合なことが入ると営業がやりにくくなってしまうのです。


営業マンにとって、一番ありがたい売主は、穏やかな笑みをたたえて静かにしていてくれる売主さんです。必要な時に、必要な答えだけ返してくれる、そんな売主さんが理想なのです。


売主さんが一生懸命になるのは、わかります。でも、一生懸命さが表にでてしまうとかえって逆効果になります。ご注意ください。









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