人生には三つの坂があるといわれます。
「上り坂」、「下り坂」、そして、「まさか」。
予期せぬことが起きるのが人生だとすれば、予期せぬことを想定しておくのも人生です。
住まい選びも同じ。予期せぬことを想定して住まいを選ぶ人と、予期せぬことを想定しないで住まいを選ぶ人がいます。
確かに、予期せぬことに神経質になりすぎるのも問題ですが、最近は、ある程度予期せぬことを想定しておく必要があるように思えます。
では、人生の「まさか」、予期せぬことは何でしょうか?
不動産の現場で私たちが遭遇するのは、「離婚」、「失業」、「倒産」、「事故」、「災害」です。
いづれも住まいを購入する際には、考えもしなかったことでしょう。明るい未来があることだけを信じて購入したはずです。しかし、様々な事情で状況は変化します。
「まさか」の最終的な対処法としては、不動産を売却するか、誰かに貸して、自分たちは賃貸物件に引っ越すという方法しかありません。
言葉にすると簡単なことですが、実際の現場ではこれが結構やっかいなのです。
問題は、物件によっては、なかなか賃借人が見るからない、予想していた賃料で貸せない、すぐに売却できなかい、、売却価格が自分たちの予想をはるかに下回る、というようなことがあるからです。
住宅ローンの支払いを賃料でまかなおうと思っていても、賃借人が見つからなければそれも絵に描いた餅。最終的には債務不履行となって、競売の道へ進んでしまいます。
また、売却価格が予想を下回っても売却できればいいのですが、住宅ローンの残債を下回った価格でしか売却できないケースでは深刻です。一定期間内に売却できなければこちらも競売になり、最悪の場合は自己破産に追い込まれます。
正直なところ、不動産取引の現場では、不動産業者の果たせる役割は限られています。
相場が3,000万円の物件を3,500万円で売却することは、ほぼ不可能ですし、家賃相場が15万円の物件を18万円で貸すことも今の不動産市場ではほとんど不可能です。
結局のところ、「まさか」に対応できるかどうかは、どんな物件を購入していたかにかかっているのです。
購入後にできることは、せっせと住宅ローンの残債を減らすことだけであって、資産価値を高めることはほぼ不可能です。
多くの人が、購入時には自分の価値観が正しいと信じています。しかし、自分の価値観と、売りやすい物件、貸しやすい物件は違うことが多々あります。
不動産は、売れたり、貸したりできてはじめて資産になります。売れない不動産、貸せない不動産は単なる負債であって、資産ではありません。
住宅ローンは何が得か、何が損かという議論も大事ですが、将来、本当に資産になる物件なのか、将来の不測の事態に対応できる物件なのかは、それ以上に大切なことです。
これからの時代、どんな物件が資産価値の高い物件なのか、
住まいの危機管理が必要な時代になってきました。
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