久しぶりにある建売業者さんから電話が入りました。以前はかなり親しくお付き合いしていた業者さんなのですがある事件を境にパッタリお付き合いがなくなった業者です。

その事件とは...、別に大した事件ではありません。販売を任されていた新築現場がなかなか売れなかった、ただそれだけのことです。

それまでの弊社とその業者さんとの関係はとても良好なものでした。お付き合いの始まりは、その業者さんがなかなか売れずに困っていた物件を売ったところからです。どこの業者がやっても売れなかった新築現場を弊社がオープンハウスで売り出したところ、運良く近所の方で売れてしまったのです。

それまで販売を任せていた業者がいたのですが、なかなか売れないのに業を煮やし、たまたまタイミングよく電話をかけてきた弊社に1回だけという約束で販売を任せたのです。

当時は全然知らない建売業者さんですからこちらも販売に当たって強気で条件を出しました。その条件とは販売価格の値下げです。こちらとしても高い広告宣伝費をかけるのですから売れないと意味がありません。ましてやチャンスは1回となればなおさらです。今売れる価格はこれです!と言って思い切った値引きを要求したです。

頑固社長として有名な建売業者さんだった(後で知ったのですが...)のですが、こちらの迫力というか、データに押されて渋々了解してくれました。 その結果、それまで半年間売れなかった現場が売れてしまったのです。

勝因は販売力でも広告宣伝の量でもありません。
値下げの効果です。売れなかったのは販売価格が相場からずれていただけだったのです。ただ、なかなかその現実を理解できる人は少ないのです。売れないのはすべて他人のせい、営業力がないから、広告宣伝が足りないから、一生懸命やってないから等々、自分以外の理由を見つけたがります。

誤解を恐れずに言えば、売れないのは価値に見合った価格設定がされていないから、つまり価格が高いからです。これだけインターネットが普及し、瞬時に日本全国の不動産業者に情報が行き渡る時代です。価格設定さえ正しければ売れない理由がありません。売れないで困っているという方はもう一度冷静に価格設定を見直してみるのが賢明です。

ちなみにこの建売業者さんの電話の目的は、売れ残っている建売現場をまた販売して欲しいとのこと。昔お世話になった方ですのでなんとかしてあげたいとは思ったのですが最終的にはお断りしました。だって1年間も売れ残っている現場を値下げもせずに売れという要望だったからです。

プロも素人も同じ、現実を冷静に判断するのは難しい。しみじみ感じさせられた電話でした。








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