一時所得と税金
そろそろ年末ジャンボや有馬記念などが気になる時期ですが、当たったときの税金ってどうなるの?
と言う事で、面白いコラムを見つけたので転載します。高額懸賞の賞金や賞品も関係ありますよ。
■宝くじには税金がかからない
年の瀬を迎えると、年末ジャンボが気になる方も多いでしょう。
富くじは江戸時代からありましたが、「宝くじ」という名前の始まりは昭和20年の「政府第1回宝籤(くじ)」といわれています。昭和21年には地方くじ第1号の「福井県復興宝籤」(別名「ふくふく籤」)が登場しました。
宝くじは戦後の復興資金を集めるために始められたわけですが、いまでは、私たちの生活のなかに「夢を与えるもの」として定着しています。夢に税金をかけては粋とはいえません。宝くじは一時所得ではありますが、「当選金付証票法」で宝くじの当選金には税金をかけないことになっています。宝くじに税金をかけると、売れ行きに影響するとの判断があったのでしょう。たとえ、3億円あたったとしても、確定申告の必要はありません。サッカーくじ「TOTO」も同様に税金はかからないことになっています。
■あたり馬券や車券には税金がかかる
所得税の対象となる所得にはサラリーマンの給与所得のほかに、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類があります。
いずれも字を見るだけでおおよそは判断できると思いますが、今回焦点を当てるのは「一時所得」です。文字通り「一時的な性質を有する所得」をいい、他の所得と区別されています。
競馬の馬券や競輪の車券などの払戻金も「一時所得」で、宝くじとは違って、こちらには税金がかかります(所得税法第34条)。たとえば10万円で馬券を買ったところ、大穴が出て、配当が10倍だったとします。払戻金は100万円です。一時所得は次のように計算します。
(総収入金額)-(支出した金額)-(特別控除額)=(一時所得の金額)
この場合、「総収入金額」は100万円です。馬券代の10万円が「その収入を得るために支出した金額」にあたります。「必要経費」といいかえてもいいでしょう。競馬場への交通費、競馬新聞代なども必要経費として認められますが、微々たる金額なので、ここでは無視します。
「その収入を生じた行為や原因ごとに直接要した金額に基づいて計算」することになっていますから、残念なことに、他のレースのハズレ馬券の購入代金は必要経費とは認められません。
一時所得には50万円の特別控除が認められていますから、払戻金が50万円以下の場合は申告する必要はありません。50万円を超えた場合、必要経費を引き、さらに特別控除額50万円を引いて残った金額が課税対象となります。つまり
( 100万円 )-( 10万円 )-( 50万円 )=( 40万円 )
(総収入金額) (馬券代) (特別控除額) (一時所得)
40万円が給与所得など他の所得と合算され、総合課税の対象となります。ただし所得金額を2分の1にして計算しますので、実際に課税対象となるのは20万円です。
50万円の特別控除は大きい。年間50万円以上もうけた人でなくては税金の心配はありません。逆に一時所得の計算で、必要経費がかかりすぎて損失が生じてしまったとしても、他の所得と損益通算することはできません。
■懸賞やクイズの賞金も一時所得
懸賞やクイズの賞金も一時所得です。課税の対象とみなされ、確定申告の際に申告する必要があります。たとえばクイズに当選して現金40万円をもらったとします。
応募したハガキ代50円は必要経費ですが、ここでは無視します。一時所得の計算方式に当てはめると、次のようになります。
40万円-0円-特別控除額=0円
0円ですから、もちろん課税されません。賞金や賞品で50万円以上もらうとき、注意しなければいけないのは、50万円を超えた金額について源泉徴収(10%)されていることです。確定申告する際には、この源泉徴収額を税額から控除することを忘れてはいけません。一時所得の対象となるものをあげておきましょう。
【一時所得の対象となるもの】
(1)クイズなどの懸賞の賞金、賞品
(2)競馬の馬券、競輪の車券などの払戻金
(3)生命保険契約に基づく一時金(満期配当金を含む)
(4)損害保険契約などに基づく満期返戻金や解約返戻金
(5)法人からの贈与により取得する資産
(業務に関連して受けるもの、および継続して受けるものを除く)
(6)借家の立ち退きなどに際して受け取る立退き料
(7)売買契約などが解除されたことにより受ける違約金
(業務に関連して受けるものを除く)
(8)遺失物拾得者や埋蔵金発見者が受ける報労金
(9)遺失物の拾得や埋蔵金の発見により新たに所有権を取得する資産
著者:岡林 秀明
と言う事で、面白いコラムを見つけたので転載します。高額懸賞の賞金や賞品も関係ありますよ。
■宝くじには税金がかからない
年の瀬を迎えると、年末ジャンボが気になる方も多いでしょう。
富くじは江戸時代からありましたが、「宝くじ」という名前の始まりは昭和20年の「政府第1回宝籤(くじ)」といわれています。昭和21年には地方くじ第1号の「福井県復興宝籤」(別名「ふくふく籤」)が登場しました。
宝くじは戦後の復興資金を集めるために始められたわけですが、いまでは、私たちの生活のなかに「夢を与えるもの」として定着しています。夢に税金をかけては粋とはいえません。宝くじは一時所得ではありますが、「当選金付証票法」で宝くじの当選金には税金をかけないことになっています。宝くじに税金をかけると、売れ行きに影響するとの判断があったのでしょう。たとえ、3億円あたったとしても、確定申告の必要はありません。サッカーくじ「TOTO」も同様に税金はかからないことになっています。
■あたり馬券や車券には税金がかかる
所得税の対象となる所得にはサラリーマンの給与所得のほかに、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の10種類があります。
いずれも字を見るだけでおおよそは判断できると思いますが、今回焦点を当てるのは「一時所得」です。文字通り「一時的な性質を有する所得」をいい、他の所得と区別されています。
競馬の馬券や競輪の車券などの払戻金も「一時所得」で、宝くじとは違って、こちらには税金がかかります(所得税法第34条)。たとえば10万円で馬券を買ったところ、大穴が出て、配当が10倍だったとします。払戻金は100万円です。一時所得は次のように計算します。
(総収入金額)-(支出した金額)-(特別控除額)=(一時所得の金額)
この場合、「総収入金額」は100万円です。馬券代の10万円が「その収入を得るために支出した金額」にあたります。「必要経費」といいかえてもいいでしょう。競馬場への交通費、競馬新聞代なども必要経費として認められますが、微々たる金額なので、ここでは無視します。
「その収入を生じた行為や原因ごとに直接要した金額に基づいて計算」することになっていますから、残念なことに、他のレースのハズレ馬券の購入代金は必要経費とは認められません。
一時所得には50万円の特別控除が認められていますから、払戻金が50万円以下の場合は申告する必要はありません。50万円を超えた場合、必要経費を引き、さらに特別控除額50万円を引いて残った金額が課税対象となります。つまり
( 100万円 )-( 10万円 )-( 50万円 )=( 40万円 )
(総収入金額) (馬券代) (特別控除額) (一時所得)
40万円が給与所得など他の所得と合算され、総合課税の対象となります。ただし所得金額を2分の1にして計算しますので、実際に課税対象となるのは20万円です。
50万円の特別控除は大きい。年間50万円以上もうけた人でなくては税金の心配はありません。逆に一時所得の計算で、必要経費がかかりすぎて損失が生じてしまったとしても、他の所得と損益通算することはできません。
■懸賞やクイズの賞金も一時所得
懸賞やクイズの賞金も一時所得です。課税の対象とみなされ、確定申告の際に申告する必要があります。たとえばクイズに当選して現金40万円をもらったとします。
応募したハガキ代50円は必要経費ですが、ここでは無視します。一時所得の計算方式に当てはめると、次のようになります。
40万円-0円-特別控除額=0円
0円ですから、もちろん課税されません。賞金や賞品で50万円以上もらうとき、注意しなければいけないのは、50万円を超えた金額について源泉徴収(10%)されていることです。確定申告する際には、この源泉徴収額を税額から控除することを忘れてはいけません。一時所得の対象となるものをあげておきましょう。
【一時所得の対象となるもの】
(1)クイズなどの懸賞の賞金、賞品
(2)競馬の馬券、競輪の車券などの払戻金
(3)生命保険契約に基づく一時金(満期配当金を含む)
(4)損害保険契約などに基づく満期返戻金や解約返戻金
(5)法人からの贈与により取得する資産
(業務に関連して受けるもの、および継続して受けるものを除く)
(6)借家の立ち退きなどに際して受け取る立退き料
(7)売買契約などが解除されたことにより受ける違約金
(業務に関連して受けるものを除く)
(8)遺失物拾得者や埋蔵金発見者が受ける報労金
(9)遺失物の拾得や埋蔵金の発見により新たに所有権を取得する資産
著者:岡林 秀明