モデルのペイントまでできましたので、今度はモデルを軽く動かしてみようと思います。
一般的に、3DCGソフトでモデルを動かすには、ボーンという、いわゆる骨を入れて動かしていきます。
全体を動かすのはいろいろと大変ですので、とりあえず尻尾が動かせるぐらいの説明をしたいと思います。
例えば下の絵のように、尻尾に骨を入れると、モデルを動かせるようになります。
もちろん、モデルの構造自体を全体的に変えて(点を動かしたりして)動かす事もできますが、それだと全部の動きに対して形を手動で作り出していかなければいけないので、実際の動物みたいに、まず外側の形があって、中には骨があり、骨が動く事で外側の形が動くような仕組みを入れていく訳です。


では作業を行っていきますが、用意するモデルについては、前回までのペイントの手順で、UV編集を手動で行ってない物でも、あるいは手動でUV編集を行った物でも、モデルの形状は同じですので、どちらでも大丈夫です。
右面図を出します。表示は”線”にします。サブディビジョンサーフェイスのチェックを外します。

これは、骨を入れる場合には、素の状態(サブディビジョンサーフェイスを適用する前)のポリゴン構造を見て、入れやすい場所(例えばポリゴンの境目)などを確認するためです。あるいは、骨を入れやすいようにポリゴン構造をあらかじめ考えて作ったりもします(そのあたりの事は研究してみて下さい)。
上の”キャラクタ”メニューからジョイントツールを選び、右下に出る属性マネージャで、ルートヌルのチェックを外します。チェックを入れた状態だと、最初にまずヌルオブジェクトが入ってからジョイントが追加されていきますが、今回は、ヌルオブジェクトは特になくても大丈夫だと思います。他にも設定がありますが、他はとりあえず変えなくてもいいと思います。キーを押しながら使った時の機能も出ています。

ジョイントツールを使い込むためには、この設定もいろいろと変える場合もあります。
オブジェクトモードにして、オブジェクトマネージャから”動物”を選んでおきます。
controlキーを押しながらクリックして、ジョイントを置いていきます。Cinema 4Dの場合、ボーンという言葉より、ジョイントという言葉で表していくようです。前足と後ろ足の間の所から始め、場所はだいたいこんな感じで、尻尾の先まで順番に置いていきます。置いていくと、ジョイントをつなぐような(骨みたいな)グラフィックが自動的に出てきます。

キーを何も押さないでジョイントツールを使った時には、ジョイントをドラッグで動かす事ができます(ジョイントツールの属性マネージャの設定にあったように)。
”動物”を選んでからジョイントを置き始めたので、オブジェクトマネージャの階層的には、動物の下に置かれていきます。
オブジェクトマネージャ画面で、全てのジョイントと、オブジェクト”動物”を選びます。
マウスでドラッグして四角の中に入るようにすれば、まとめて選べます。

上の”キャラクタ”メニューからコマンド>バインド、を選びます。バインドというのはジョイントとオブジェクトを関連づける作業ができるものです。
バインドをすると、”動物”にウェイトタグができ、下の階層には”スキン”というものができます。
サブディビジョンサーフェイスのチェックを入れます。

オブジェクトマネージャから、ジョイント.2~ジョイント.4をクリックして選択し、回転ツールで動かしてみると動かせると思います。(移動ツールで移動する事もできます)

最初の”ジョイント.1”は尻尾以外の身体全体に割り当てるために入れたジョイントで、動きとしては使わないので、そのジョイントの属性マネージャで表示をなしにするか、オブジェクトマネージャの表示設定を変えて、表示しない事もできます。


オブジェクトマネージャで、”動物”についているウェイトタグをクリックし、下の属性マネージャの”タグ”の欄で、バインドポーズをリセット、ボタンを押すと、ジョイントにつけていた動きが元に戻ります。

スキンのタイプ
”スキン”をクリックした時に、下の属性マネージャの”タイプ”という項目(下の図を参照)で、変形のタイプを変える事ができます。線形より球体の方が、計算は遅いですが若干綺麗になる(曲げた部分が細くなりにくい)ようです。



座標系について
バインドした後、ジョイントの座標をちょっと動かしたい場合、そのまま動かすとジョイントの座標で動かす事になるため、上のアイコンの”座標系”でワールド座標に変えると、ワールドのXYZ軸方向に動かす事ができます。(バインドした状態が変わる訳ではありませんが、ジョイントの座標を動かす事で見た目が良くなる場合もあります)

また、ジョイントを移動したりして最初から作り直したい時には、いったんウェイトタグとスキンを取り除いてジョイントを動かしたりしてから、あらためて”バインド”の作業をするとできると思います。
キャラクターにジョイントをつけていく作業は、これ以外にもまだまだ奥が深いですので、さらに詳しい手順などは、マニュアルなどを参考にして下さい。
尻尾の動きをアニメーションとして作ってみた例
では次回は、このような簡単なアニメーション動画作成について、説明していきたいと思います(予定)