僕は視力がかなり悪いんですけど、
この前お風呂上がりに
家の床を見たら何やら黒い物体らしき
ものが鎮座してまして、
はいはい、来ましたかと。
夏の最悪風物詩、Gが。
いや、実際はそんな
冷静なテンションではなく
も〜〜〜ええって〜〜
勘弁してくれ〜〜〜〜〜
マジのマジで〜〜〜
不法侵入〜〜〜〜〜
という、冷静とは対極の、
嘆きに近いテンションでした。
というか僕は昔からGの
討伐に対する意気に波がありまして、
今日はなんとか殺せる、という日と
今日はなんかマジで無理、キモい、
という日が不定期なんですよ。
その日は後者で、
Gを殺せるテンションでは到底なく
その、裸眼でまだよく見えていない、
Gとは明確に認識出来ていない状態の
フェーズから、眼鏡をかけて確認する
というフェーズに行くのに10分くらい
かかりました。
何故なら、まだ認識出来ていない間は
それはGではなく、
Gの可能性がある何かしらの物体なわけで、
その状況に甘んじる事で精一杯だったのです。
僕は一向に眼鏡をかけませんでした。
それはそれはもう、かけません。
眼鏡屋さんから怒られそうなくらい
かけません。
そろそろかけたら?
いや、まだだ
という脳内でのクソみたいな
自分との対話に流石に疲れがきて、
その黒い物体を裸眼のまま
見つめ続ける事から一歩踏み出し、
少しずつ臨戦態勢に入りました。
しかし不思議な点が一つ。
かれこれ15分くらい観察してるものの、
全くと言って良いほどそれは動きません。
こうなってくると、
Gではないという一筋の大きな光が
差し込みます。
その大きな光を盾に、
僕はついに部屋を明るくし、
眼鏡をかけたのです。
視界がクッキリとします。
眼鏡って凄いね。
あれは、あの形状は
Gではないぞ...!!
そして近づきました。
それはなんと、
アイスクリームの袋の
破片だったのです。
アイスクリームの、
袋の、
破片、
だったのです。
僕はアラサーにして
Gらしきものを討伐する気になれず、
15分間、Gではない物に
怯え果てていたのです。
100歩譲って他の虫ならまだしも
命の宿っていない物質に対して
様々なシチュエーションを予測し
そして嘆き、気持ちを奮い立たせ、
そしてまた嘆き、を繰り返していたのです。
情けなさ過ぎます。
でも、Gでは無かったので
とても嬉しかったです。
またあなた方の貴重な5分間を
奪ってしまいましたね。
すまん。