2023年度の国際収支統計(速報)経常収支は黒字額が25兆3390億円と過去最大

 

財務省が10日発表した2023年度の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引や投資収益の状況を示す「経常収支」は、黒字額が前年度比2・8倍の25兆3390億円と過去最大となった。自動車の輸出回復などにより、モノの輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」の赤字幅が大幅に縮小したことが主な要因だ。貿易収支は、赤字幅が3兆5725億円と前年度(17兆7869億円)から約8割減った。半導体の供給制約の緩和や円安の進行を追い風に、輸出額は2・1%増の101兆8666億円と、初めて100兆円を超えた。一方、輸入額は10・3%減の105兆4391億円で、石炭や液化天然ガス(LNG)などエネルギー関連の輸入額が大きく減った。

モノ以外の取引を示す「サービス収支」も赤字幅が約5割縮小し、2兆4504億円となった。このうち、訪日客の消費から日本人の海外旅行での消費を引いた「旅行収支」は、訪日客の増加で黒字額が3・6倍の4兆2295億円となり、過去最大を更新した。

企業の海外への投資から生じた利子や配当金などの「第1次所得収支」も、0・6%増の35兆5312億円で過去最大だった。24年3月単月の経常収支は、黒字額が3兆3988億円となり、月次ベースで過去最大となった。

 

1世帯の消費支出、3年ぶり前年下回り月平均29万4116円…物価高で節約志向

 

総務省が10日発表した2023年度の家計調査によると、1世帯(2人以上)あたりの月平均の消費支出は29万4116円と、物価変動の影響を除いた実質で前年度より3・2%減少した。前年を下回るのは3年ぶり。長引く物価高で節約志向が高まり、コロナ禍の20年度(4・9%減)を除くと、消費税率が5%から8%へ引き上げられた14年度(5・1%減)以来の下げ幅だった。コロナ禍前の19年度との比較では、実質で5・8%減少した。

 

消費支出を構成する10項目すべてで前年度を下回った。食料は1・9%、住居は6・9%、光熱・水道が3・7%、家具・家事用品が5・9%それぞれ減少した。22年のロシアのウクライナ侵略による資源高や円安の進行による輸入物価の上昇を受けた相次ぐ値上げで、消費者の節約志向が高まったとみられる。消費支出はコロナ禍の20年度に4・9%の減少となったが、21年度以降は反動もあり、2年連続で前年度を上回っていた。3月の消費支出は31万8713円で、実質で前年同月に比べて1・2%減少した。減少は13か月連続だが、減少幅は市場予測より小さく、エコノミストからは「足元では消費は緩やかな回復傾向にある」との指摘が出ている。

 

(上記は“読売新聞 によるストーリー”からの引用です。)

 

“国の借金” 1297兆円余 8年連続で過去最大を更新 財政厳しく

 

国債や借入金などをあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”は、ことし3月末の時点で1297兆円余りと過去最大を更新し、財政状況は一段と厳しくなっています。財務省によりますと、国債と借入金、それに政府短期証券をあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”はことし3月末の時点で1297兆1615億円と8年連続で過去最大を更新しました。去年3月末と比べた1年間の増加額は26兆6625億円となり、財政状況は一段と厳しくなっています。昨年度は防衛費や社会保障費が増えたことに加え、ガソリン補助金や低所得者世帯への給付金など、物価高対策を盛り込んだ13兆円を超える補正予算を編成した結果、国債の発行が積み重なりました。内訳は国債が1157兆1009億円、短期的な資金繰りのために発行する政府短期証券が91兆4993億円、借入金が48兆5613億円となっています。今年度は予算総額が2年連続で110兆円を超える規模となったほか定額減税の実施などもあって、新たな国債を35兆円余り発行する計画となっています。

 

(上記は”NHK NEWSWEB 2024年5月10日”記事の引用です。)

 

名目GDPは591兆円で世界4位に 実質は2期連続のマイナス成長

 

 2023年の国内総生産(GDP)は、物価の影響をふくめた名目GDPが前年より5・7%増え、591・4兆円だった。米ドルに換算すると1・1%減の4・2兆ドルで、ドイツ(4・4兆ドル)に抜かれて世界4位に転落した。1968年に西ドイツ(当時)を追い越して以来、55年ぶりに日独が逆転した。内閣府が15日発表した。コロナ禍からの回復で消費や輸出が伸び、物価高もあって日本の名目GDPは過去最高になった。物価の影響をのぞいた実質GDPも1・9%増え、ともに3年連続のプラス成長になった。 名目GDPでドイツに抜かれたのは、円安の効果が大きい。23年の平均為替レートは1ドル=140・5円で、前年の平均より9円ほど円安になった。また、ドイツは日本よりも物価高が激しく、それに伴って23年の名目成長率が6・3%だったことも影響した。ただ、より深刻なのは、日本経済の長期低迷だ。ドイツは日本の人口の3分の2しかないが、国際通貨基金(IMF)のデータをみると、00~22年の実質成長率はドイツが平均1・2%なのに対し、日本は0・7%にとどまる。

 

(上記は“朝日新聞デジタル米谷陽一氏2024年2月15日付”からの引用です。)