市場原理: 円を含む通貨の価値は、需給、金利、インフレ、経済指標など様々な市場要因の影響を受ける。日銀と財務省は円の価値に影響を与えるために為替市場に介入することができるが、市場の力が介入を上回ることがあるため、特に長期的には完全にコントロールすることはできない。

 

世界経済の状況: 円の価値は、米国、中国、ユーロ圏などの主要国の経済状況など、世界の経済状況にも影響される。これらの経済情勢の変化は投資家心理や資本フローに影響を与え、ひいては円の価値にも影響を与える。

 

金融政策: 日銀は金利や資産買い入れなどの金融政策を調整し、円の価値に影響を与えることができる。しかし、通貨をコントロールする金融政策の有効性は、国内外の市場の反応性など様々な要因に左右される。

 

投機: 為替市場は投機活動にも影響される。トレーダーは将来の動きを予想して通貨を売買する。投機的な動きは、時に短期的な円相場の変動につながり、政策当局がそれをコントロールすることは難しい。

 

日本銀行と財務省は円の価値に影響を与えるための措置を取ることはできるが、為替市場には国内と世界のさまざまな要因が複雑に絡み合っているため、完全にコントロールすることは困難である。

 

以下は時事通信社による記事の引用です。

 

国債買い入れ縮小の方法を検討

日銀が26日に開く金融政策決定会合の2日目の議論で、国債買い入れ縮小の方法を検討することが25日、明らかになった。 3月にマイナス金利政策の解除など大規模緩和の正常化に踏みだしたが、国債買い入れについては減額を見送っていた。縮小すれば、日銀が保有する国債の償還ペースは、新規買い入れを上回ることになりそうで、国債保有残高を減らしていく事実上の量的引き締め局面へ移行することになる。

 

日銀は3月に17年ぶりに利上げに踏み切った。しかし、国債の大量購入を続けて潤沢にマネーを供給する金融緩和環境を維持しているため、外国為替市場円安が進む一因となっている。3月に政策変更を決めた際の声明文で、日銀は国債について「これまでとおおむね同程度の金額(月間6兆円程度)で買い入れを継続する」と明記。実際の買い入れは、市場の動向や国債の需給を踏まえて実施していく方針を示していた。 

 

25日に始まった今回の会合では、3月に決めた国債買い入れ方針の下で、実際に購入額を縮小していく方策を議論。日銀が公表している月間の国債購入予定額(約5兆~7兆円)についても、引き下げを含め見直す可能性がある。長期金利は、3月の政策変更後も比較的安定的に推移している。4月から国債入札が減額されたこともあり、日銀は今後買い入れを多少減らしても金利の急騰は避けられると判断しているもようだ。3月に長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作を撤廃したことを踏まえ、金利の形成をより市場に委ねる狙いもある。

 

余談;異次元金融緩和のしりぬぐいをしなければならない植田日銀総裁  その手腕は!

 

以下はNHKWEBからの記事の引用です。

 

金融政策決定会合 いまの金融政策維持 決定

日銀は26日まで2日間の日程で金融政策決定会合を開き、いまの金融政策を維持することを決めました。
先月、マイナス金利政策を解除し、政策目標としている短期の市場金利を0%から0.1%程度で推移するよう促すとしましたが、これを据え置きます。
また、長期国債の買い入れについても、これまでとおおむね同程度の金額で買い入れを継続するとした前回会合の方針に沿って実施するとしています。
日銀は前回の会合で賃金と物価の好循環が見通せる状況になったとして政策転換に踏み切りましたが、今回は政策を維持しました。
一方、外国為替市場では、日銀が当面、緩和的な金融環境が続くとする一方、インフレの続くアメリカで早期の利下げの観測が後退していることから、円安ドル高が進み、歴史的な水準となっています。

3年間の物価見通し“上昇率2%程度で推移”

日銀は金融政策決定会合に合わせて、今年度から3年間の物価の見通しを示す「展望レポート」を公表しました。
それによりますと、生鮮食品を除いた消費者物価指数の見通しは政策委員の中央値で今年度・2024年度が前の年度と比べてプラス2.8%と、前回・1月時点に示したプラス2.4%から引き上げました。
また、2025年度についてもプラス1.9%と、前回のプラス1.8%から引き上げました。
今回、初めて示された2026年度はプラス1.9%としました。
今年度の見通しを引き上げた理由について原油価格の上昇傾向や、政府の電気・ガス料金の負担軽減措置が来月の使用分までで、いったん終了することなどを挙げています。
今回の予測どおりとなれば消費者物価指数の上昇率は2022年度から3年連続で日銀が目指す2%を超え、その後も2%程度で推移することになります。
日銀は「経済・物価の見通しが実現し基調的な物価上昇率が上昇していくとすれば金融緩和度合いを調整していくことになるが、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えている」としています。

 

34年ぶりの円安水準を更新

26日の東京外国為替市場では、日銀の金融政策決定会合の結果や、植田総裁の記者会見での発言を受けて、円相場は、一時、1ドル=156円台後半まで値下がりしました。その後、夕方には急激に2円近く円高方向に変動したあと、再び、1ドル=156円台に値下がりする荒い値動きの場面もありました。

東京外国為替市場では、日銀が金融政策決定会合で、今の金融政策の維持を決めたことが伝わると、円を売ってドルを買う動きが強まり、さらに、そのあとに行われた日銀の植田総裁の記者会見で、円安への対応などをめぐって踏み込んだ発言がないといった受け止めが広がると、円相場は、一時、1ドル=156円80銭台まで値下がりし、34年ぶりの円安水準を更新しました。