(前回のつづき)※本文中敬称略

まさに因果応報ともいうべき大トラブルによって、カルタバラマキ地点に立ち往生してしまった僕。
しかし、このこと自体が敗退の危機ではない。本当の危機はこの直後に訪れる。・・・

結局「ジェットエンジン搭載」の僕の乗ったエアーボートは復旧しなかった。しばらくクイズが中断した後、スタッフによって別のエアーボートが横付けされ、僕と操縦者のおじさんは、そちらに乗り移ってクイズを続行することになった。
しかし、このエアーボートをみてびっくり! エンジントラブルを起こした元のエアーボートとは、比べようもないほどのボロボロエアーボートだったのである。
なにしろ、大きさが一回りも二回りも小さい上に、フレームがむき出しで、疾走時に草の影響をもろに受ける船首部にもカバーがついておらず、どうみてもスピードがでる代物とは思えない。まるでレーシングカーからいきなりポンコツの中古車へと乗り換えさせられたような気分だ。恐らく、挑戦者の乗ったエアーボートがトラブルで使えなくなるとは、スタッフも全く予想していなかったのだろう。その場で撮影用に使っていたエアーボートを流用せざるを得なかったはずで、そのエアーボートがハンドメイドのこだわりエアーボートとは雲泥の差であったのも、仕方のないことだった。

例によってビデオ等をお持ちの方、Youtubeをみられる方は、確認してみてほしい。6台の中でも一番大きくて立派だった僕のエアーボートが、(乗り換えて撮影が再開された直後の)第4問を答えるときには突如としてボロボロのエアーボートに変わってしまっている(今からみると相当笑える)。僕がやけくそで「パンの材料小麦粉」と大誤答したのも、ほとんど開き直ってのことだった。

Q5.イブ・サンローランやピエール・カルダンを門下生にもつ、今は亡きパリモード界の有名デザイナーといえば誰?(A.クリスチャン・ディオール)

この問題からボロボロのエアーボートでスタートした僕だったが、他のエアーボートとのスピード差は歴然だった。パワーの少なさもさることながら、とにかく草の影響で、全くスピードがでない。他のエアーボートの半分くらいしかスピードがないんじゃないだろうか。そしてそのスピード差は、スタート/ゴール地点からカルタバラマキ地点の往復2kmを行き来するにはまさに致命的だった。
たまたまこの問題が難問だったので、全員が解答権があったが、そのチャンスにも僕は「ち」をもってきて「ジ(ヂ)バンシー」と答え不正解。結局は高橋が「て」をもってきて「てにてんてんでディオール」と答え、見事3ポイント獲得で1抜けとなった(僕も「ちにてんてんでヂオール」と答えたらよかった、とテレビをみて思った)。高橋にはバッドランドに続く完敗だったが、このときの僕はそんなことを悔しがる余裕はない。自分がどう勝ち残るかを考えるのが精一杯だった。
→高橋3(勝ち抜け)・山賀1・柳井1・稲川2・中村0・宇田川2

Q6.別名をサクラウオともいう、氷に穴をあけて釣ることで知られる魚は何?(A.ワカサギ)

問題を聞いた瞬間、答はどうみても「ワカサギ」だったので僕は焦った。スピード差がものをいいそうだ。テレビの実況解説では留さんが僕のエアーボートと誰かのエアーボートを間違えていたが、実際には僕がカルタバラマキ地点に到達するはるか前から、他の4人はカルタボードの捜索に入っていたほどだった。おまけに、このとき僕が想定した答が「ワカサギ」の「わ」か、「諏訪湖で冬によく釣れるワカサギ」の「す」。そのどちらも「わ」が山賀、「す」が中村に拾われた後で、見当たらなかった。
僕はどうせ時間切れになるのならと、適当にカルタボードを拾っていくことにした。そしてたまたま拾ったのが「れ」。スタート地点に帰る途中、どうやってつなげようかと考えた末にでてきたのが、例の「冷酒と一緒に食ってもうまいワカサギ」だった。でも、正解2人がでた後に僕の番になって答を言うときには「これはいくらなんでも強引すぎて不正解だろう」というのが正直な気持ちだった。僕が苦笑しながら答えているのもそのためである。

しかし、この苦し紛れの答がなぜか正解と判定され、僕はなんとか勝ち抜けが決定。因果応報というか、自業自得というか、自分のミスから招いた敗退の危機を脱することが出来た。次の問題や、その後に行われた敗者復活戦の形式をテレビで始めてみたが、ここで勝ちぬけていなければ本当に危なかったと思う。
→山賀2・柳井1・稲川3(勝ち抜け)・中村1・宇田川2

(参考)
Q7.お茶の葉を茶臼でひいたのは何茶?(A.抹茶)
宇田川、山賀が正解して勝ち抜けの4人が決定。
→山賀3(勝ち抜け)・柳井1・中村1・宇田川3(勝ち抜け)

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ちなみに、敗者復活戦で中村くんが復活した後に行われた罰ゲーム。テレビでは子どものワニを背負って帰っていくというもので、柳井さんとはそれはそれでマッチしていたんだけど、これは天候の悪化から急遽変更して行われた罰ゲームだったと後でスタッフから聞いた。本当は小屋の中に敗者が待機していると、爆音とともにエアーボートの送り出す突風が吹いてきて、屋根も壁も吹っ飛ばされるというものだったようだ。もし当初の予定通りの罰ゲームだったならば、その豪快さから、歴代のウルトラクイズの罰ゲームの中でも、印象に残る罰ゲームの上位にランクされていたんじゃないだろうか。
 

↑前回のクイズサミットでは最初から最後まで敬称略にしてみたんだけど、やっぱり不自然なので、本文以外は「さん」「くん」づけにしてみました。統一感がなくて申し訳ない。