第11回ウルトラクイズのブログ、復刻第2弾は、マイアミのエバーグレーズで行われたエアーボートかるた取りクイズについて。
このクイズでは、本番中に僕の乗ったエアーボートが故障してしまい、途中から急にボロボロのエアーボートに変わっているのだが、僕がブログに書くまで、おそらくは誰も気がつかなかった。
それでは、始まり始まり。

 

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第11回ウルトラクイズは、他の回に比べて経由地に特色がある。過去に訪れたことのないような、言い換えれば、日本では無名だった場所ばかりを経由している。今やメキシコ観光の定番となっているカンクンやチチェンイツァだって、当時は日本人がほとんど行かない観光地だった。ウルトラクイズで紹介されたのをきっかけとして、徐々にツアーのコースに組み込まれていったんだと思う。

そんな中で、今思い返しても一番よかったのが、マイアミ郊外のエバーグレーズ。まあ、大湿地帯の風景もよかったんだけど、ここで行われたエアーボートを使ってのクイズが、とにかく気持ちよかった。
なにしろ、1人1台ずつのエアーボートに乗って大疾走!なんてスケール感は、ふつうの観光では絶対ありえない。最終週のオープニングで、残り6人の挑戦者を紹介するシーンがあるが、このときにでてくる10人乗りくらいのエアーボートが、たぶん観光用に使われている一般的なもののはずだ。
では、ここでクイズに使ったエアーボートはなんだったのか? 実は地元のエアーボート愛好家たちが自分専用につくったハンドメイドのエアーボートたちなのである。1台ずつの形や大きさが違うのもあたりまえ。その違いや、細かな装飾へのこだわりを、ビデオなどを持っている人は、今一度確認してみてほしい。

というわけで、今回はエバーグレーズで行われた「爆走!エアーボートカルタクイズ」について。
大げさな話ではなく、僕はここでも危うく敗退しかけている。しかも、自分自身のルール違反が招いた一大トラブルによって……。
ほめられた話じゃないんで言いたくはないが、まあ、乗りかかった船ならぬエアーボート?(ってこのブログが)ということで、恥をしのんで公開してしまおう。
※以下は例によって敬称略

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この日、マイアミのホテルからバスに乗った僕たち6人(高橋、山賀、柳井、僕、中村、宇田川)は、街をはずれて郊外へと向かっていった。マイアミっていうから、てっきり砂浜でタイヤひきでもさせられるのかと思ったが、どうやらそうではないらしい。手持ちのガイドをみると、どうやらエバーグレーズ国立公園のほうに向かっているようである。
僕はそこで、クイズ形式がエアーボートを使ったクイズではないかと直感的にひらめいた。どのチェックポイントでも、クイズをやる場所やクイズの形式は、そのときにならないと教えてもらえないが、おしゃべりな僕はいつもいいかげんにクイズ形式を予想してスタッフのひんしゅくを買っていた。そして、たいてい自分の予想は大ハズレだった。
僕がエアーボートをイメージしたのは、作品名は忘れたが、以前の007シリーズの映画の中で、エアーボートを使ったカーチェイス(いやいやボートチェイス?)をみた記憶が鮮明に残っていたからだった。
そして、エバーグレーズの一角だと思われる道路の脇にバスは停車したものの、なぜか僕らに降車の指示はなく、2時間ばかりもそのまま待機させられることになった。

僕たちが待機させられた原因は、クイズの準備が整っていなかったからだった。
もっとも、スタッフは時間厳守でその機動力はピカイチ。ではなにが準備不足だったかというと、エアーボートを操縦する地元のおじさんたちの準備がなかなか整うわなかったのだ。

テレビでは特に説明していなかったが、ここでのクイズで挑戦者が乗るエアーボートには、一段高いところに操縦者のおじさん(たぶんそのエアーボートの所有者)が乗っている。そして、エアーボートの操縦はもちろんおじさんたちがするが、そのおじさんへの指示は、挑戦者がすることになっていた。といっても言葉でやりとりするのではなく、挑戦者が自分の右手をあらかじめ決められたとおりに動かして指示する。前進するときはまっすぐ前に右手をのばして指差し、右へ旋回してほしいときは頭の上で右手を時計回りにまわす、徐行してほしいときはひじを折って手首から先を小刻みに上下動させる、などなど。あとでスタッフから聞いたことだが、日本人ならば簡単に理解するこれら5~6種類の動作による指示をおじさんたちに理解させ、徹底させるのに苦労していたとのことだった。

ようやく準備が整ったらしく、僕たちはバスを降りて波止場らしきところへ。そこから最終週のオープニングにでてくる大型のエアーボートに乗り、クイズでスタート/ゴールだった場所に向かった。

テレビではいきなり6台のエアーボートが横一列に並び、第1問が出題されるが、実際にはここでもその前にもう1ステップあった。まずは、誰がどのエアーボートに乗るかを決めなければならない。
エアーボート選びに使われたのは、本物のカルタ、しかもウルトラクイズのそれまでの出来事を題材に作られたオリジナルのカルタだった。そしてカルタをとった挑戦者から順に、好きなエアーボートを選ぶことになっていた。
6台のエアーボートは事前に1台ずつ紹介され、それぞれにはキャッチフレーズがついていた。2番目にカルタをとった僕が選んだのは、「ジェットエンジン搭載」というのをキャッチフレーズにしたエアーボートだった。まあ、実際にジェットエンジンは搭載していないものの、6台のエアーボートの中では一番大きく、馬力もありそうだったし、僕としてはたいへん満足だった。(ほかのエアーボートのキャッチフレーズは忘れてしまった。山賀のは「恋人募集中」だったような気がする)

そして全員のエアーボートが決定し、それぞれのエアーボートに挑戦者の名前を書いたのぼりが立てられ、さらに操縦者のおじさんとおそろいの(同じ色の)ポロシャツを着て、スタート位置に。

エバーグレーズの大湿原を使った壮大なスケールのクイズが、ついに始まった。

(つづく)