久しぶりに書評です。
大震災後、いやその前の雑誌創刊へ向けてのここ数カ月、激務と一言では言えないレベルで走り続けたこともあり、読書は全くできませんでした。
そんなある日、一本の電話が懐かしい人からかかってきました。
この「ガンダムが教えてくれたこと」の著者の鈴木博毅さんです。
7~8年振りに新刊を出されたとのこと。
実は鈴木さんにはハウディーズ立ち上げ期に
大変お世話になった経緯があり、
またその後いくつかのプロジェクトで一緒にお仕事をさせて
いただきました。
この何年かの間、
不眠不休で走っておられた鈴木さんが、
ようやく本を出されたとのこと。
ここ数年は少し私もご無沙汰だったのですが、
最後にお会いした時に、
「早く本を書いてくださいね」とかなり強く迫った記憶があります。
この人の本は、私は大好きですから。
この3連休、震災で仕事にならないこともあり、
今年に入ってはじめてちょっと時間ができましたので
早速手に取って読んでみました。
そんな鈴木さんの新刊がこちら↓
ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方
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at 11.03.21
鈴木 博毅
日本実業出版社
日本実業出版社
「ガンダム」です。
鈴木さんを知る者としては少々びっくりしました。
というのも、鈴木さんは非常に理知的なタイプで、
私は彼の論理的な分析能力にはいつも感銘を受けていましたし、
以前に出版した書籍では
その緻密な分析と筆致に惚れ惚れしたものです。
その鈴木さんが「ガンダム」とは!
団塊ジュニアである私にとってもガンダムは身近な存在。
そのガンダムにおける地球連邦軍とジオン公国の戦争の過程と結果から
「組織論」を語る試み....
この本はすごく面白かったです!
何が面白いかと言うと、
ガンダム世代にとってはわかりやすいキャラクターとシナリオを
徹底的に組織論の観点から分析し、
経営戦略に置き換えてわかりやすく伝える....
かなり感激しました。
ガンダム世代の皆さんは必読ですね!
鈴木さんに強いて注文するならば、
これは早急にシリーズ化して、
半年以内にエヴァンゲリオン、
一年以内にワンピース、と
続編をどんどん書いてください!というところでしょうか。
ガンダム世代以外にも読んでもらわなきゃダメですからね(笑)
さて、著者の鈴木博毅さんをもう少々紹介すると、
戦略コンサルタントとして、下記の会社の代表をされています↓
MPSコンサルティング
以前はマーケティング関連の本をお書きになっていました。
特に私はこの本が好きでした↓
ただ、実はあまりにも理路整然としてロジカルな分、
通好みの本ではありましたが、大ベストセラーにはならなかった...
そんな気がします。
実際のところ、うさん臭いマーケティングの本とは異なり、
この頃の鈴木さんが提唱していた「他者排除理論」と
「信用力のマーケティング」は、時代を超えて多くの人の参考に
なるとオススメできます。
私はこの方の書く文章が大好きで、
鈴木さんには「あなたの真骨頂は作家なんだから!」と
よく言っていました。
マジメに隠れた名著、名著者ですよ!
さて、話は戻りますが
そんな鈴木さんのガンダム.....
実は最高に良い感じです。
ある意味では今までの著書は「固すぎ」だったかも知れません。
「わかる人だけわかれば良い」ような....
ところがその明晰な分析と説得力が「ガンダム」という比喩をもって
語られた時、
爆発的な面白さが発生した.....
そんな気がします。
実は予想以上に面白かった!
知り合いから献本を受けたりすると、
「悪い感想は書けないからな....」という
プレッシャーが伴うものですが、
今回の鈴木博毅さんの「ガンダム」については、
特に団塊ジュニアから40代の皆さんには必読書、
その他の世代の方にも強く推薦できる本。
皆さん、是非読んでください♪