「全ての起業家はドリーマーであり、全ての経営者の志は気高く美しい。」
仮説ですが、恐らく真実でしょう。
僕が知る全ての企業人は、根っこの部分では全員がポジティブで、創造力に満ちあふれています。
ところが、皆さんご存知の通り(笑)、大概の人たちが成功すれば傲慢になり、うまくいかなければ卑屈になります。ある意味、こんな昨今の不況下では、「まとも」であり続ける人の方が少ない...... 残念ながら我々「経営者」と名がつく者たちには「不都合な真実」もあります。
僕がいつも引用するこの言葉のように、何故か人は自らの夢や理想から逃げてしまいます↓
夢は逃げない 逃げるのはいつも自分 - 高橋歩
「世界一素晴らしい会社をつくり、みんなをハッピーにしよう」
「毎日みんなが笑顔でワクワク仕事に臨めるような組織をつくろう」
そんな思いではじまった会社が、気がつけば残業に休日出勤に家庭崩壊を招き、気がつけば「こんな会社だけには絶対にしたくない」と思った通りの会社になってしまうこと、何度目にしたかわかりません。
売上に困ったからか、それともクライアントの要請だったのか?社会のせいか、それとも働く社員の能力不足のせいか?
ここで「誰かのせい」にするのが、経営者にとっての最大の保身につながるのですが、実はそれこそがリーダーのSelf-deception、セルフディセプション(自己欺瞞)。一生懸命に自分が批判されないように、あるいは自分を自己批判しないで済ませるために行う「自己洗脳」なのですよね。
セルフディセプションの基本は、「僕は悪くない」、「悪いのはあいつだ!」ですよね(笑)。子供のケンカで、泣きながら自分の正当性だけを訴え続けるような心理構造です。そしてこの心理構造の恐ろしいところは、「ウソも100回言うと真実になる」ではありませんが、自分で自分を騙しているうちに、その虚構が自分の中では居心地の良い隠れ場所になるというところ。
人は弱い生き物ですから、セルフディセプションの全てが悪いとは言いません。ある意味、自分で自分を多少は認め、許さないとやっていられないことはあります。
ただ、多くの人々の人生を預かり、お客様にも社会にも大きな責任がある経営者の立場では、自分以外の誰かに責任を負わせようというのは、やはり誤りではないかと思っています。
最近、色んなことが立て続けにありました。
その責任は、やはり当然僕にあります。
問題を黙認していたり、関わらなくて良いことに関わったり、判断を誤ったり、様々な原因が招いた結果が今の状況をつくっているのだな、と思っています。
ある意味では、僕自身が当初描いた「理想像」の崩壊、と受け止められる状況でもあります。
ここ数日、真剣に考えました。
・僕は「夢」から逃げるのか、それともまた立ち上がるのか?
・僕は「自分」を騙し、妥協し、理想を曲げるのか?
・僕自身が、セルフディセプションに陥っていないか?
そして、考えるだけでなく、心の声、直感にも頼ることを考えました。
・僕の心がワクワクするのは、どんなときなのか?
・僕は心の根っこでは何を求め、何を成し遂げたいのか?
.........ようやく、今朝、結論が出ました。
僕は本気で、自分を信じる人たちの為にも、自分自身の為にも、「理想の会社」、「理想の事業」に向けて、妥協すること無く進もう。
「理想の会社」をつくるために、初心に帰り、もう一度立ち上がろう。
最高の理想と志の元に立ち上がった、「あの時」の初心。
また(笑)、リングに立ち、滑っても倒れても、立ち上がります♪
それでは今日もがんばります!
PS: 気づいた方も多いと思いますが、僕に今日の気づきをくれた本が、福島正伸先生の「理想の会社」です。ちょっと道を誤りそうだったころの僕にとっては、なかなか馴染めない本でした。色んな道を歩み、色々と経験した今は、「こんな素晴らしい本は無い」と思えるようになりました。経営者の皆様には特に、心からおすすめいたします↓