昨日 の続きですが、売れるお店と潰れるお店の違いを客観的に見ると


昨日指摘した3つの点に帰結します:


まずは「気持ちの問題」、これが第一。

第二には、「当事者意識」

そして第三には、「変化する能力」


まずは「気持ちの問題」ですが、これが一番はっきりと客観的な立場では見えます。


「売れるお店」の経営者の方は

常に何らかの努力をされています。

そして自らのお店をどう改善し、より良くするか

常に考えていらっしゃいます。

その「前向きな意識」は伝染病のようにスタッフに伝わり、

スタッフからお客様に伝わり、

地域社会にも伝播するのです。

なぜならば「前向きな意識」は必ず「前向きな行動、成果」に

つながるからでしょう。


私の知っている地域の「売れているお店」の経営者の方の多くは

「日本で最高の店にする」

「都内でも勝てる味を出す」

という気概をお持ちです。

その「上を目指す気持ち」こそが経営者を研究に駆り立て、

改善、改良に導くのではないでしょうか。


・・・


なんて書くと当たり前のことのようですが、

実際にはこのように「ポジティブなオーラ」を発信する経営者さんは

実は意外にも少ないものです。


その理由は次の「当事者意識」の有無にあるようです。


「売れるお店」の経営者の皆さんは「一人称」で話します。

「俺は、私は、僕は、弊社は・・」

その逆に、「売れないお店」の経営者の多くは

「時代が、社会が、政治が、地域が、商工会議所が、市が、県が、政治家が、」

という具合に「自分」を見事に消去した会話しかされません。

つまりは、経営者の力量イコールお店の将来、という

「経営の絶対的な事実」から逃げて、

「売れない」ことを自分以外の責任にしてしまうのです。

時代に合わなければ「僕は時代に合わせて・・」

地域が合わなければ「俺は地域に合わせて・・」あるいは移転すれば良いわけで、

市や政治が悪くても、それは実際には商売のマイナスの全てではないわけです。

経営の当事者は市長でも総理大臣でもなく、常に「経営者自身」であることに

向き合って「自分は、自分の店は、会社は、」という視点を持つお店が

「売れる店」の典型かと思います。


そして「当事者意識」のもう1つ重要なポイントは、

「当事者」として経営に当たる人は、

「反省し、改める」能力が備わっている、ということでしょうか。

月次の売上、目標、そして決算という経営上の通信簿を見て、

自分を褒めるばかりでなく、律することができるという点です。

経営の全ての責任を自分が体現しているという当事者意識がなければ、

経営上のことは全て「他人のせい」となりますので。


私の知るとある経営者の方は、

「目標達成はスタッフのおかげ、目標未達は自分のせい」

とおっしゃっていました。

この意識が経営者には求められる資質なのかもしれません。


そして最後、「変化する能力」

これこそが一番大切なポイントだと思います。

「売れないお店」はかたくなに変化を拒むお店がほとんどです。

なぜ売れないか、それはお客さんに聞けばすぐですし、

実は「売れないお店」の経営者の皆さんもわかっていることなのです。


しかし、変われない・・・


それはご自分のプライドなのか、こだわりなのか・・

定かではありません。


客観的には「勉強不足」という評価をしてしまう場合もあります。


「売れるお店」の経営者の皆様に共通して言えることは

ご自分のご商売、業界はもちろんのこと、様々なことにアンテナを張りめぐらし、

「常に新しい情報」を収集されていらっしゃいます。

情報ソースも多岐に渡り、(その中に私も入っていることもありますが)

様々な情報を常に吸収し、取捨選択し、ビジネスに生かされています。


だからこそ「売れるお店」の経営者さんたちは「変われる」のです。


私によく連絡を下さる経営者の方が私と会う理由は

「自分と違う世界にいる」からだそうです。


地域社会においては(地域外でもいわゆる「業界」では)

「人脈、情報ソースの固定化」という弊害がありますよね。

常に「同じグループ」の「同じ人たち」と「同じ視点」で「同じレベル」で

話し、それだけが「真実」と勘違いしてしまうことが多いようです。


よく昔は「日本の常識」が「世界の非常識」だとか騒がれたことがありましたね。

日本もだいぶグローバル化しましたが、それでもまだまだ島国であります。

残念ながらメディアでは東京イコール日本、ですから

地方はだいぶ無視されているわけです。

すると「常識」というものは、単にある一定のグループ内の共通価値観ですから、

例えば「通り3丁目」だけの常識、というものも存在できるわけです。


アンテナが狭いと、狭く閉鎖された社会の中だけでの感覚になってしまい、

狭い社会では特有のstatus quo、現状維持の方向に走ってしまうようですね。


先ほどの「売れるお店」のような

「日本一」を目指すとアンテナは日本全体に広がりますし、

「世界一」を目指すとアンテナは世界全体に広がります。

実は「売れないお店」が変われない理由は、「地域全体」というアンテナを張ること、

それすらも避けて、狭く偏屈な視点でビジネスを考えてしまうことにあるのかも知れません。


・・・

何か偉そうなことを書いてしまってお叱りを受けそうですが、

最近あまりに多くのお店が足利市内でシャッターを下ろしたことから

ついつい書いてしまいました。


ただ、最後に私が言いたい事は

地域全体で「元気なお店」をどんどん増やし、盛り上げましょう!

ということです。


勇気をふるって前を向き、チャレンジして一件でも多くのお店が

繁盛し、人で賑わう事。

実は「地域活性化」の当事者は

何を隠そう、地域でご商売、ビジネスをされている方々全員と、

そこに集う生活者のみなさん全員ですから!


ハウディーズ もできるところから頑張ります。

今後とも宜しくお願いします!