一昨日お邪魔した訪問先のオーナーさんから
「iPodってなんで売れるの?」
「日本製のものより性能がいいの?」
と聞かれました。
「ものづくり日本」という感覚だけでは恐らくiPodの成功や、ビル・ゲイツがなぜ世界のほとんどの「国」よりもお金持ちになれたのかわからないでしょう。
iPodはいわゆるmp-3プレーヤーとして誕生したわけですが、スティーブ・ジョブズもインタビューで認めているように:
「iPodはソフトウェアを売っている」のです。
SONYを始め日本のメーカーもmp-3プレーヤーを製造していますが、iPodのような操作性を実現できるソフトが無いわけです。本体内もそうですが、iTunesのようにPC上で簡単に自分の音楽を管理できるソフトや、iTunesストアのようなサイトという「もの」を生かすためのインフラの上で後手に回っているというのが現実ではないでしょうか。
パソコンも実はNECや富士通のパソコンを買っているというよりはWindowsXPや、Vistaを買っている、というのが現実でしょう。
一生懸命新製品のパソコンを開発し、広告し、販売する。各社頑張れば頑張る程・・そうです。Windowsが売れるのです。
パソコンの買い替え需要もいわゆるソフトのアップデートのタイミングにコントロールされ・・「ものづくり」の努力が報われないサイクルになってしまってもいます。
だからビル・ゲイツが大金持ちで、日本のメーカー各社はコストとの闘いにさらされ「厳しい闘い」を強いられるわけです。
このソフトウェアに対する意識の薄さが、90年代以降の日本のPCや家電製品のトップメーカーとしての地位を脅かし続けて今日に至っていると思いますね。
さて、話は変わりますがAppleについて補足すると:
私はMacユーザーで、アップルという企業を愛する一人です。
Appleという企業は「奇跡」でもあります。
これだけパソコン市場でWindowsが独占的な地位を持つ中、
なぜマックユーザーはMacを買い続けるのか?
この過程には非常に緻密かつ有効なマーケティング手法が存在しているのです。そしてそれはiPodでも確実に生かされています。(マイクロソフトもmp-3プレーヤーを販売していますが、全く売れてませんね)
Macユーザーはパソコンを買いません。
Macを買います。
iPodユーザーはmp-3プレーヤーを買いません。
iPodを買うのです。
それはパソコンを超えたストーリーがMacにあり、
mp-3プレーヤーを超えたストーリーがiPodにあるからです。
昔は日本でもWalkman-ウォークマンを買うという文化があったのですが・・今日本の製造業で企業ブランディング・商品ブランディングをきちんと理解し、意識したマーケティングを行っているのは「世界のトヨタTOYOTA」と「レクサスLEXUS」くらいでしょうか?
マーケティングの手法においても
「ものづくり日本」は考えなければならない。
「良い製品」は機能だけではないのです。
「もの」よりも、「ある1つのキラーブランド」をつくること、
単なる機能やスペック以外のストーリーと付加価値を商品に
加えること。
それが大切かと思いつつ・・
明日はまた東京出張。休日だというのに2社の同世代の実力者の皆さんとミーティングしてきます。
ハウディーズも
「ハウディーズをやる」と言われる存在に
なりたいですね!