私は基本的に小さく物事を考えるのが苦手です。

 必ず大きく考え、自分の中に枠をつくらず、先入観や常識は分析はしてもとらわれず、必ず自分の学習と成長を前提に思考をめぐらせるようにしています。

 恐らく性格でしょう。

 しかし、一方で行動は地道に、できることから小さく始めるようにしています。

howdyslogo


 とあるお店で言われました。

 「ハウディーズ をやられていなかったら先生 、なんですよね?」

 それはそうです。

 「先生なのによくこうして営業で回れますね」

 これはよく皆さん不思議に思われるようです。特に私の「先生」としての存在を前からご存知だった方々は特にそうです。

 再びゼロから始め、全てが新鮮に見えています。

 創業期は、不思議と良く人が見えるものです。そしてまた、安易な道は用意されませんから、己が、自らが良く見えます。

 原点に返ると、創業時に人は志を持ち、全身全霊を傾け、自分で全ての責任を背負い、事に向かうわけです。

tonegawa


 私も上場企業の名刺を持っていたときは楽でした。

 しかし、そちらの創業社長さんがゼロからその名刺を価値あるものに育て上げたのだ、という実感と重みを感じたのは自ら事を起こしてからです。

 その社長さんも「単なるお調子者」としか見られていなかった創業時の話は周囲から良く聞きました。そのせいか、そちらの社長さんは創業時にお世話になった方々には想像を絶する丁重な対応を欠かさずされていらっしゃいました。私がいたときもそうでしたし、今でもそうでしょう。

 名刺の社名にはその社長さんの魂が宿っていたわけです。

 胸の社章も含め、名刺の社名は私にとってはどの取引先に行ってもきちんと対応してもらえ、仕入れ先からは丁重に扱ってもらえるカンバンであるだけでしたが、そこには想像を絶する重みがあったのでしょう。

John Coltrane
Newport '63

 よく東京の友人には

 「おまえはいいよな」と羨ましがられます。

 たまに彼らも私の名刺を持って営業にでも行くとその羨望も消えるかな・・と思いつつ。

 昔からどうやら私は周囲の期待や想像を超える行動を起こし、必ず大きなことをやらかし、おとなしくしていると思うやいなや一番槍を突き刺し、話題をふりまく習性があるようです。

 私を良く知る人は、一見おとなしそうで落ち着いていて冷静そうな私の奥底に宿る激しさを知っているようです。

 確かに、負けるのは嫌いですし、負けても認めないですし、負けることを自分には許さない性格はよくも悪くも知っています。

 アメリカの恩人が言いました。一言で言うと私は Persistent だと言うことです。「不屈の」というのが私に一番あてはまる形容詞だということです。

Jack Kerouac
On the Road


 ハウディーズを始める時、過密なスケジュールの中、ノートパソコンとケータイで仕事をしながら伊豆の下田に行きました。

 黒船が来た下田湾で坂本竜馬を思い、海を見て、波の鼓動の中に真実を感じました。

 広く大きな世界、大自然と母なる地球の営みの中、小さく弱き一介の人間が唯一持てるものは、無限の志と発想、意志と情熱である、ということです。

 私が憧れるのは織田信長ですが、なにか親近感を覚えるのは豊臣秀吉で、大好きなのは坂本竜馬です。西郷隆盛さんには敬服しますが、自分にはかすらないのが悲しいです。

 海を見て、水平線に溶ける太陽を見て、岩をうがつ波の無限の営みを感じ、何かを決意しました。

 当然、この本も睡眠を削り再読してからの本格創業です。

司馬 遼太郎
竜馬がゆく〈1〉


 この地域に必要であり、この地域に大きなプラスを生み出すと信じているこのハウディーズの事業、そして既に私を信じてついてきている生徒たち、そしてご協力頂いている加盟店鋪の皆さん。その方々の為に全力で頑張る、その決意、日々深まり、さらに「不屈」のものとなってきました。

 明日は実はちょっと気合いを入れての商談があります。

 原点に戻り、竜馬のように「ゆこう」と思ってます。