少し低くなった 壁にひょいと乗るシンジ



おいでと てまねきしている




スズは戸惑っていた



この壁を乗り越えるの?



「ここの門は 6時30過ぎないと開かない


それまで門の前で待っとくの?」




シンジにそういわれ



スズは



壁を越える決心をする




しかし手を伸ばしても 壁の上には届かない




すると



壁の上からシンジが スズの腕をつかみ



ぐいっと



ひっぱった




その勢いで



スズの体は宙に浮き



一気に壁の上にのぼった




「意外に重いね」




シンジのその言葉に



スズはまたしても真っ赤になる




「本当にコロコロ顔色が変わるね」



また



ニヤッと笑うシンジ



このシンジの笑い顔が意外とスズは気に入っていた



意地悪な中にかわいらしさも隠れている


そんな笑顔




シンジはまたひょいと壁を飛び降りた



軽々と降りたシンジ




自分も降りようと 下を見ると



その高さにびっくりしてしまった




こんなに高いの?



ふとシンジを見ると



ニヤッと笑い




両手を伸ばしている




「何してるの?」



スズが尋ねると




「おいで」



さっきまで笑っていた顔が嘘みたいに




真剣な顔でスズを見つめている




年下の高校生にこんなこと言われるなんて



「怖くないよ」




静かなシンジの声に



スズは答える代わりに



身を乗り出し飛び降りた




どん




シンジの胸元は意外なほど広かった




そのまましばら居たいと思うほど



気持ちよく



安心できた




「先生 意外に胸あるねー」



その言葉に


スズは我に返り



シンジから離れる



自分が先生だということをすっかり忘れていた



相手は年下の高校生



しかもこれから自分が勤める高校の生徒だ



自分はまったく何をしているんだ



そう思うと



恥ずかしくなってきた



恥ずかしくて顔を上げることが出来ない



そんなスズの考えが分かっているyのか



シンジは



「じゃー」



と言って



その場を立ち去った



シンジは校舎とは逆の方向へ歩いていく