日本の学童期の発達障害は、2006年→2019年で約10倍に増えています。

この原因が、コンピューターゲームやスマホにあるとズバッと結論づけているのが本書です。




『#子どものデジタル脳完全回復プログラム』
著 ヴィクトリア・L・ダンクリー(アメリカの精神科医)
監修 川島隆太(脳科学の権威、東北大学加齢医学研究所所長)
出版 株式会社飛鳥新社

ゲームをやめることで、発達障害の症状が劇的に改善したり、症状が全くなくなるケースも多数あることが実例で示されています。

ゲームをすると、脳にドーパミンという興奮と快楽を感じる物質が異常に出ることがわかっています。

この作用はまさに覚せい剤を同じなのです。

ゲームを終えて、脳からドーパミンがなくなると、反動で何もする気になれない無気力状態や集中力低下・イライラ状態に陥ります。

そして、またゲームがしたくなり、ゲームのことばかり考えるようになります。

この異常なドーパミンによる興奮快楽状態が頻繁に繰り返されると、脳が元の状態に戻る調整が難しくなり、未熟な子どもの脳が壊れていきます。
 
この書籍を読む前、現在7歳の長男が6歳の頃、コロナ禍での自粛生活中に、長男の強い希望に負けスマホのゲームを解禁したことがあります。

ゲームの時間は制限していましたが、長男が自ら話す会話の99%がゲームの話になりました。

そして、徐々に感情のコントロールが難しくなってきた(キレやすくなった)のを感じていた、ゲーム解禁から数カ月後のある日、ゲームでうまくいかなかったことをきっかけに、周囲を全く気にせず大声で長く泣き叫びました。

この今まで見たことのないわが子の姿を見て、ゲームの危険性について無知だった私でも、直感でこの子にゲームは危険だと判断し、それからゲームはさせていません。

その後は、落ち着き、泣き叫んだことは一度もありません。

このことがあった上で、最近この書籍を読んだことで、ゲームをすることで長男の脳の中で起こっていたことが理解できたとともに、深く納得しました。

もちろん子どもへの影響は、一人ひとり異なります。ゲームに対する感受性が高い子も低い子もいます。当然年齢によっても変わってきます。

子どもがしたいと言うことはさせてあげたいのが親心ですし、厳しく制限するとあとから何かしらの反動がくるのではないか、友達の輪から外れてしまうのではないかと心配になる気持ちもとてもわかります。


しかし、だからこそ、親がゲームやスマホの、子どもの脳に対する危険性をきちんと認識した上で、子ども一人ひとりをよく見てよく感じて、親がしっかり判断することが大切だと思います。

iPadやiPhoneを開発した故スティーブ・ジョブズさんを始め、テクノロジーのトップに立つ人たちが、わが子がデジタル機器に触れることを厳しく制限している事実は何を物語っているのでしょうか。

この記事やこの書籍が必要な人に届くことを願っています。