トニー・レオンの新作の一部を紹介します。
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上海の街をわが手に収めようと、マフィアの抗争が繰り広げられていた。
夕暮れの上海駅、待合室の片隅にいるトニー。
外は雨。雷が轟音を響かせている。
黒のスーツとソフトを目深にかぶったトニーが、入口のあたりを警戒しながら見つめていた。
トニーの拳銃の弾は、なくなってしまっていた。
出入り口は一つしかなく、刺客が追ってきたらもう最後だ。
赤ん坊を抱えた若い女が出て行くと同時に、あの刺客が入ってきた。
香港には戻れないかと、あきらめかけたトニーはタバコに火をつけて。ゆっくりと刺客に背を向けてから、煙をふっと吐き出した。
刺客は待合室を見まわしたが、トニーに気付かず、待合室の中を行き来している。
刺客が部屋の片隅まで来たときに、トニーと目が合った。
刺客は呟いた。
「トニーの野郎、どこへ行きやがった」
そして、また待合室の中を行き来している。
トニーは唖然としたが、そのまま入口まで行った。
殺されると思ってたトニーは、拍子抜けして呟いた。
「やつはオレをトニーだと思っていない」
「ボスを殺ったオレの顔を知らないなんて」
急に腹立たしくなったトニーは、持っていた傘を素早く閉じたり開いたりした。
バサバサ、バサバサという音が待合室の中に響き渡った。
刺客は、入口近くに居る妙なヤツをトニーだとは思わなかった。
またバサバサ、バサバサを繰り返すトニー。
無視する刺客。
たまりかねたトニーは、刺客に向かって大きな声で叫んだ。
「オレはトニーだ」
刺客は、ぽかんとした表情で言い返した。
「トニーは、そんなイチビリ野郎じゃねぇ」
というところで、昨日は目を覚ましました。今日は、続きの夢を見るのでしょうか。
つまらない文章読んで頂いてすみません。
トニーさん、変な夢見てごめんなさい。