今まで、幾度となく家で犬を飼ったことがありました。
家からまだ10メートルの手前のところ歩いていても、犬たちは足音から僕の帰宅を感じ、喜びの声を上げていました。警戒の鳴声と喜びの声は断然違うのがよくわかります。飼っていたアヒル同じように、僕の足音を感じ喜びを「ガーガー」という声で表していたのを思い出します。
  僕は人を待つのが好きです。響いてくる足音の主は誰かを聞きながら待つのは面白いです。「これはサンダル」「スニーカー?」「かなり体重の重そうな人」などと、姿を見ずにあてるのは、わくわくします。ついに待っていた「コツコツとした軽い目の音」がやってくると、間違えなく待っていた人です。僕は鳴きはしませんが、最近、犬の気持ちがよくわかるようになりました。