通常国会提出は時期尚早=ホワイトカラー残業代廃止で-太田公明代表

 公明党の太田昭宏代表は2日午前、JR新宿駅前で街頭演説し、一部のホワイトカラーを残業代の支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」導入について、「残業代がなくなるのではないか。安定した仕事、生活を成り立たせるには慎重を期してやっていかなければならない」と述べ、今月召集される通常国会への労働基準法改正案提出は時期尚早との考えを示した。その上で、太田氏は議論を深めるための与党協議会設置を提案した。
(2007/01/02-20:26 時事通信)
引用 http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=pol_30&k=2007010200058

公明党のめざすものの大きな柱の一つに〈生命・生活・生存〉の人間主義があげられています。
これによると,
 政治の使命は,人間が人間らしく平和に幸せに生きることの保障である
とのこと。ごもっとも!

さて,「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度」の導入は
サービス残業どころか,過労死や解雇の恐れすらありますなぁ。

過労死弁護団全国連絡会議によれば,ホワイトカラーエグゼンプションを導入しているアメリカでは,
制度の適用を受ける労働者の方が労働時間が長くなる傾向にあるそうだ。

【一つの仕事を二人でこなしていると仮定する】
今まで  
 Aさん~1日10時間労働・週休2日→週50時間労働→残業代あり。
 Bさん~1日 8時間労働・週休2日→週40時間労働
 二人で90時間の労働
導入後
 Aさん~1日15時間労働・週休1日→週90時間労働→残業代なし。
 Bさん~解雇
 一人で90時間の労働

つまりこういうことです。
企業にとってみると人件費が半額以下になることさえありうる夢のような話なのです。
加えて外国人労働者を雇用すれば,さらに人件費は安く済みますなぁ。

これだけ働けば,過労死も十分ありえますし,
目の前で解雇になる社員を見れば,職を与えてくれるだけありがたいと,
会社に感謝する人も増えるでしょう。
会社の不正に気づいても,物申す社員はいなくなり,隠蔽が一層はびこりますぞ。
(安心して車の運転なんかできませんな。)
解雇が恐ろしい状況が今より深刻になりますな。
過労死したとしても,自己責任ということで,認定されないことは容易に想像できますな。

家には寝るために帰る生活を今よりもっと強いられるようになり,
当然,子どもを育てやすい社会環境とは言えず,少子化問題は一層深刻になり,
さらなる自殺者増を招き,年間3万人ではすまなくなるはずですなぁ。
こうなると,年金の財政も悪化間違いなしで,新たな負担増と言うことは必至ですな。
うつなどの精神疾患も増えますなぁ。

厚労省による2005年度の年齢別死因によると,
20歳~39歳の死因の第1位は自殺です。
国民の約3%が自殺で命を落としています。
自殺未遂まで含めるとどれほどいるか・・・。

公明党には,政治の使命をしっかり果たしていただきたいもの。
もちろん野党にもです。