熱烈な巨人ファンゆえに,長年読売新聞をとっている。
おそらく今後も変わらないことと思う。
しかしながら,問題点があるかもしれないという視点に欠けていることに不満を持っていた。
ここ最近でも,教育問題に関して,同様の不満を持つに至った。

拉致問題で特に数年前から北朝鮮への目が厳しくなっている。
今回の核実験についても然りである。
別に,北朝鮮を愛しているわけでも,金正日を崇拝しているわけでもないのだが,
TV・新聞報道・ネットの書き込み等を見るに,偽装核実験の可能性があるという視点が欠落していた。
以下,北朝鮮の核実験に関する本日の記事

放射性物質確認、米政府が日本に伝える…北の核実験

 米政府は14日、日本政府に対し、今月9日の北朝鮮による核実験実施発表を受けて米軍機が行っていた放射性物質の採取・分析により、大気中から微量の放射性物質が確認できたと伝えた。日本政府筋が14日、明らかにした。
 ただ、米政府は、分析は暫定的なもので、北朝鮮の核実験が確認できたわけではないとしているという。米側は引き続き分析を進め、核実験によるものかどうかの特定を急ぐことにしている。
 核実験実施発表後、日米両政府は、航空自衛隊のT4練習機や、米軍のWC135偵察機などで放射性物質の集じんを進めていた。これまでT4機では採取に至らず、地震波の分析では揺れが小規模だったため、核実験が実施されたかどうかの確認はできていない。
 11、12日(日本時間12、13日)にワシントンで実施された日米外交・防衛当局による審議官級協議の際にも、米側は「核実験の断定は困難」との見通しを伝えてきていた。
 しかし、14日になって、米政府から日本政府に、放射性物質検出の通報があった。物質の量はごく微量と見られ、核実験実施を断定するまでには至っていないという。
 検出された物質が何であるかは明らかになっていないが、核実験ではなく原子炉の稼働によって大気中で検出される物質もあるため、米側は慎重に分析を進めている模様だ。
 このため日本政府としても、米側による分析結果を見守るとともに、自衛隊のT4機による放射性物質の集じん活動を引き続き進めることにしている。
 これに関連し、外務省幹部は14日午前、「既に国連安全保障理事会では、北朝鮮が核実験を実施したとの前提で制裁決議を進めている。日本も独自の制裁を発動した。核実験の確証が出た、出ないで、もはや状況は大きく変わらない」として、検出された物質の分析結果いかんによらず、国際社会で北朝鮮に対する圧力を強めていく考えを示した。
(2006年10月14日12時7分  読売新聞)
引用 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20061014it03.htm

さすがにアメリカは,イラク戦争の際に大量破壊兵器があると主張し,
辛酸をなめる結果となっただけに慎重な発表をしているが,
それにしても日本政府の外務省幹部の発言はいかがなものか?
「国連安全保障理事会が,北朝鮮が核実験を実施したとの前提で制裁決議を進めているんだから,
核実験の確証が出た、出ないの問題ではない」とは何たる傲慢。
国際協調と声高々に言っている割には,
「疑わしきは罰する」という姿勢で,国際社会に何を訴えたいのか。
無論,警戒は必要だろうが・・・。
拉致問題に関しては,人道的観点から考えても北朝鮮の行動は認めがたいものがある。
しかし,核実験については,事実かどうかがはっきりしない段階という報告にもかかわらず,
こうした姿勢をとるということには理解に苦しむ。

マスメディア,とりわけ「政府に服従します」といわんばかりの読売新聞に対して
しばしば懐疑的になっていたが,
本日の報道は,盲目的に北朝鮮が核実験を行ったと信じて疑わなかった自分に反省材料を与えてくれた。
読売新聞を少しだけ見直した。

そうは言うものの,北朝鮮の疑わしさは一日や二日で培われたものではないからなぁ。
読売新聞も然りである。
TVも新聞もスポンサーなしではやっていけない。
スポンサーのご機嫌を伺うような記事を書かされているという現実があるのかな??