安倍内閣が最重要課題としている教育問題。
その具体的改善策を検討する教育再生会議が,
2001年にノーベル科学賞を受賞した野依良治氏を座長にスタートする。
どんな人物なのか調べてみた。
その具体的改善策を検討する教育再生会議が,
2001年にノーベル科学賞を受賞した野依良治氏を座長にスタートする。
どんな人物なのか調べてみた。
あまり詳しくはわからない。
そこで,これまでの教育にかかわる会議を調べていくことにした。
すると,教育にかかわる会議やら審議会が結構多く開催されていた。
もっと調べればあるかと思うが,ごく簡単にまとめてみた。
そこで,これまでの教育にかかわる会議を調べていくことにした。
すると,教育にかかわる会議やら審議会が結構多く開催されていた。
もっと調べればあるかと思うが,ごく簡単にまとめてみた。
1996年08月 第1回教育課程審議会が開催される。会長に三浦朱門氏が就任。
(第31回1997年7月まで)
2000年03月 教育改革国民会議が発足。座長に江崎玲於奈氏が就任。(小渕政権)
2000年12月 教育改革国民会議報告 -教育を変える17の提案-(最終報告)を発表。
2006年06月 三浦朱門氏,「日本教育再生機構」の発起人として参加。(小泉政権)
2006年10月 教育再生会議が開催予定(18日)。座長は野依良治氏。(安倍政権)
(第31回1997年7月まで)
2000年03月 教育改革国民会議が発足。座長に江崎玲於奈氏が就任。(小渕政権)
2000年12月 教育改革国民会議報告 -教育を変える17の提案-(最終報告)を発表。
2006年06月 三浦朱門氏,「日本教育再生機構」の発起人として参加。(小泉政権)
2006年10月 教育再生会議が開催予定(18日)。座長は野依良治氏。(安倍政権)
教育課程審議会 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E8%AA%B2%E7%A8%8B%E5%AF%A9%E8%AD%B0%E4%BC%9A
教育改革国民会議 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E5%9B%BD%E6%B0%91%E4%BC%9A%E8%AD%B0
教育改革国民会議 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E5%9B%BD%E6%B0%91%E4%BC%9A%E8%AD%B0
ここで太字にした2氏について調べると,私にとっては大変不愉快な発言をしていることが判明した。
まずは,三浦朱門氏の発言から。
★魚屋の息子が官僚になるようなことがあれば不幸になる。
★かけ算の九九を言えなくて中学を卒業する子も出るだろう。
すべての生徒がある程度のレベルをマスターできると思うのは錯覚だし,
マスターさせようとするのも愚かしい。 (週刊誌『アエラ』(2002年3月11日))
★できん者はできんままで結構。
百人に一人でいい,やがて彼らが国を引っ張っていきます。
限りなくできない非才,無才には,せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。
…それが“ゆとり教育”の本当の目的。
エリート教育とはいいにくい時代だから,回りくどくいっただけの話だ。
…だから,教えない。
“劣っている”と判断された子供は,積極的に無知に“育てる”。
(授業内容・時間の3割削減で学力が低下するのではないか,という問いに対する回答)
(斎藤貴男著「機会不平等」(2000))
★魚屋の息子が官僚になるようなことがあれば不幸になる。
★かけ算の九九を言えなくて中学を卒業する子も出るだろう。
すべての生徒がある程度のレベルをマスターできると思うのは錯覚だし,
マスターさせようとするのも愚かしい。 (週刊誌『アエラ』(2002年3月11日))
★できん者はできんままで結構。
百人に一人でいい,やがて彼らが国を引っ張っていきます。
限りなくできない非才,無才には,せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです。
…それが“ゆとり教育”の本当の目的。
エリート教育とはいいにくい時代だから,回りくどくいっただけの話だ。
…だから,教えない。
“劣っている”と判断された子供は,積極的に無知に“育てる”。
(授業内容・時間の3割削減で学力が低下するのではないか,という問いに対する回答)
(斎藤貴男著「機会不平等」(2000))
次は,1973年にノーベル物理学賞を受賞したに江崎玲於奈氏の発言。
★ある種の能力の備わっていない者が,いくらやってもねえ。
いずれは就学期に遺伝子検査を行い,
それぞれの子供の遺伝情報に見合った教育をしていく形になっていきますよ。
★遺伝的な資質と,生まれた後の環境や教育とでは,人間にとってどちらが重要か。
優生学者はネイチャー(天性)だと言い,社会学者はノーチャー(育成)を重視したがる。
共産主義者も後者で,
だから戦後の学校は平等というコンセプトを追い求めてきたわけだけれど,
僕は遺伝だと思っています。(ともに教育改革国民会議の座長として発言)
★ある種の能力の備わっていない者が,いくらやってもねえ。
いずれは就学期に遺伝子検査を行い,
それぞれの子供の遺伝情報に見合った教育をしていく形になっていきますよ。
★遺伝的な資質と,生まれた後の環境や教育とでは,人間にとってどちらが重要か。
優生学者はネイチャー(天性)だと言い,社会学者はノーチャー(育成)を重視したがる。
共産主義者も後者で,
だから戦後の学校は平等というコンセプトを追い求めてきたわけだけれど,
僕は遺伝だと思っています。(ともに教育改革国民会議の座長として発言)
なんていう傲慢な発言でしょう。
こんな人達が日本の未来の根幹である教育を語っていたとは!!
しかも,よりによって三浦氏が,2006年には「日本教育再生機構」に発起人として参加している事実。
それにしても「日本教育再生機構」と,安倍氏の「教育再生会議」とは,なんと紛らわしい名称か。
調べてみると,「機構」は「会議」の人選について異議を唱えていることが判明。
葛西敬之JR東海会長・門川大作京都市教育長・渡辺美樹ワタミ社長を
教育問題に見識のある方とする一方で,
池田守男資生堂相談役・白石真澄東洋大教授・海老名香葉子氏・陰山英男立命館小副校長・
小野元之日本学術振興会理事長・義家弘介横浜市教育委員を非難。
従って,「会議」には三浦氏の主張とは異なるメンバーがいるものの,
1996年以降問題発言を繰り返す三浦氏の呼びかけに賛同する人が
「会議」のメンバーとして3人いるということから,
「会議」の議論に何らかの影響を与える可能性は非常に高い。
また,「会議」の座長である野依良治氏の思想がさっぱりわからない現段階においては,
「教育再生会議」を注意深く見守る必要を感じている。
こんな人達が日本の未来の根幹である教育を語っていたとは!!
しかも,よりによって三浦氏が,2006年には「日本教育再生機構」に発起人として参加している事実。
それにしても「日本教育再生機構」と,安倍氏の「教育再生会議」とは,なんと紛らわしい名称か。
調べてみると,「機構」は「会議」の人選について異議を唱えていることが判明。
葛西敬之JR東海会長・門川大作京都市教育長・渡辺美樹ワタミ社長を
教育問題に見識のある方とする一方で,
池田守男資生堂相談役・白石真澄東洋大教授・海老名香葉子氏・陰山英男立命館小副校長・
小野元之日本学術振興会理事長・義家弘介横浜市教育委員を非難。
従って,「会議」には三浦氏の主張とは異なるメンバーがいるものの,
1996年以降問題発言を繰り返す三浦氏の呼びかけに賛同する人が
「会議」のメンバーとして3人いるということから,
「会議」の議論に何らかの影響を与える可能性は非常に高い。
また,「会議」の座長である野依良治氏の思想がさっぱりわからない現段階においては,
「教育再生会議」を注意深く見守る必要を感じている。
日本教育再生機構 http://kyoikusaisei.blog73.fc2.com/
参考までに三浦氏・江崎氏の発言は,
1930年代に科学的な評価が失墜した優生学に基づいている。
過去に,優生学的思想を採用した国・政権の代表格として,ドイツ(ナチス政権)があげられる。
優生学の信奉者で著名なアドルフ・ヒトラーは,
「ドイツ民族、即ちアーリア系を世界で最優秀な民族にするため」に、
「支障となるユダヤ人」の絶滅を企てた(民族浄化)以外に、
長身・金髪碧眼の結婚適齢期の男女を集め、強制的に結婚させ、「ドイツ民族の品種改良」を試みた。
1945年ナチス・ドイツが降伏し,ナチズムは非合法となったが,
現在においてもネオ・ナチスとしてその思想は生き続けている。
2006年6月,ドイツのFIFAワールドカップに併せて大規模な行動を起こすとの警告は記憶に新しい。
現在では,遺伝病を惹き起こす遺伝子等を別にすれば、
遺伝子が人の一生涯に確実な影響を及ぼす事は無く、
生活環境等といった後天的要素の影響の方が大きい為、
この種の選別方法は無意味だとする見方が主流である。
1930年代に科学的な評価が失墜した優生学に基づいている。
過去に,優生学的思想を採用した国・政権の代表格として,ドイツ(ナチス政権)があげられる。
優生学の信奉者で著名なアドルフ・ヒトラーは,
「ドイツ民族、即ちアーリア系を世界で最優秀な民族にするため」に、
「支障となるユダヤ人」の絶滅を企てた(民族浄化)以外に、
長身・金髪碧眼の結婚適齢期の男女を集め、強制的に結婚させ、「ドイツ民族の品種改良」を試みた。
1945年ナチス・ドイツが降伏し,ナチズムは非合法となったが,
現在においてもネオ・ナチスとしてその思想は生き続けている。
2006年6月,ドイツのFIFAワールドカップに併せて大規模な行動を起こすとの警告は記憶に新しい。
現在では,遺伝病を惹き起こす遺伝子等を別にすれば、
遺伝子が人の一生涯に確実な影響を及ぼす事は無く、
生活環境等といった後天的要素の影響の方が大きい為、
この種の選別方法は無意味だとする見方が主流である。
先日の記事で,安倍氏の教育改革が,イギリスのサッチャー政権下における教育改革の模倣と指摘し,
イギリスにどのような問題が起こったかを書いたが,
どうして日本は,自国の失敗を認めず,他国の失敗を教訓にできないのか・・・。
イギリスにどのような問題が起こったかを書いたが,
どうして日本は,自国の失敗を認めず,他国の失敗を教訓にできないのか・・・。
最後に,期待と警戒の思いで掲載された記事を引用しておきます。
教育再生会議18日初会合
政府は12日、安倍内閣の最重要課題である教育改革の具体策を検討する「教育再生会議」(座長=野依良治・理化学研究所理事長)の初会合を、18日に首相官邸で開く方針を固めた。 安倍首相や塩崎官房長官、伊吹文部科学相、17人の委員が参加する。会議では、教員免許更新制度や学校評価制度のあり方、基礎学力の向上に向けた方策などが当面の主要課題になる見通し。 (2006年10月13日 読売新聞)引用 http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20061013ur01.htm