緑と赤/実業之日本社

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*****あらすじ*****



2013年夏、大学三年生の金田知英は、友人と夏休みに海外旅行へ行くため、パスポートを取得した。


自身が在日韓国人であることは知っていたが、「韓国人であること」を意識しないように


育てられた知英は、パスポートの色を見て、改めて自分の国籍を意識した。


知英の友人でK-POPが大好きな梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、


ヘイトスピーチに憤り抗議活動に目覚める地方在住の良美、


日本に帰化をしたのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。 自分は「なにじん」なのか、


自分の居場所はどこにあるのか、隣にいる人とわかり合えないのはなぜなのか。


ふたつの国で揺れる知英の葛藤と再生を中心に、五人の男女が悩みながらも立ち上がる姿を描く


傑作長編。 <Amazonより>




*****きららの感想*****


日本で生まれ育った在日の人なら、日本人と変わらないんだろうと思っていたけれど、


在日ならではの色々な葛藤があるんだなぁと気づかされた。



ただ、私が海外に住んでいた時、「その国が好きだし、その国に馴染みたい」と思っていても、


やっぱり海外では日本人としてのアイデンティティーを改めて考えさせられることが多々あって、


立場は違うけど、龍平や知英の気持ちがなんとなく分かるような気がする。




ただのK-pop好きから兵とスピーチへの抗議活動に燃え始めた良美のエネルギーがすごいと思う反面、


もはや抗議活動すること自体にやりがいを感じているだけなんじゃないかと微妙に感じたりもした。