記憶がぶわーっと蘇り、
思いが溢れたのでブログにしたためたいと思います。
何のことかと言うと、
2009年に放映していた松本潤さんが主演のTBSドラマ『スマイル』です。
このドラマ、当時リアタイで毎週かかさず見てたんです

このクールで1番期待して見始めたドラマだったんだけど、もうとにかく毎週辛くて

ネットでググると重いってキーワードが良く出て来ますが、本当にその一言につきるなと。
ストーリーをさくっと
【ネタバレまとめ】すると、、、、、
主人公はフィリピン人とのハーフである早川ビト。
混血ということで、蔑みにさらされる日々。
荒れてた時代に人殺しの罪をきせられ、服役後に温かい人たちに囲まれながら夢を持って仕事に打ち込みます。
しかし心ない人々や、偏見を持つ人々によって、
様々な苦難がビトを襲います。
・覚醒剤所持で無実の罪をきせられる
・勤務先が食中毒の疑いで倒産の危機
・良き理解者だった社長の死
・かつての悪グループリーダーの執拗な嫌がらせ
そして、どうしようも無くなってしまったビトは、最大の罪を犯してしまうのです。。。
殺人罪の再犯で、裁判員裁判にかけられたビトに課せられた判決は、なんと死刑

ひょんなことからビトと知り合った弁護士の一馬や、ビトに思いを寄せる花がビトを救うために奔走。
果たしてビトに下された判決は覆るのか?!
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というような感じで、
毎週苦難の連続で救いが、ほとんど無い。
過去の経験から失語症を患う、新垣結衣さん演じる三島花。
この子にも、親が犯した罪で悪意が降りかかるんです。
こんなにも見てて、
とにかく苦しかったドラマ
他に無かったよな。
と、このドラマのことを思い出して、
改めて思いました。
今回の金スマで小栗旬さんが、松本潤さんの号泣する演技が今も鮮明に残っていると語っていました。
静音的にも、このドラマ様々なシーンやストーリーが今も鮮明に残ってるんです。
とても強烈に。
松本潤さん演じるビトの優しさやひたむきな姿、小栗旬さん演じる林のサイコパス的な恐ろしさ。
新垣結衣さん演じる花の、純粋さや可憐さ。
ささやかな幸せの尊さ。
今でも鮮明に蘇ります。
ずーーーーーーっと不幸続きで、どーなんのっ。
ってマジで思ってましたが、
私は、それなりに納得した結末でした。
当時、視聴率低迷により脚本家が残り2話を残して降板。というニュースがありました。
宅間孝行さんが書いてた9話までは、
本当に救いがないストーリーだった。
当時このニュースを見た時、まあ仕方ないよな。本当に見てて苦しいしって思ってました。
誰もこの件に関して口を開いていないので、降板の真相はわかりません。
10数年経って、宅間さんが描こうとしてた本当の結末ってどういう感じだったのかな。
と、ふと思いました。
今回の金スマで松本潤さんが、花男スタッフや小栗旬さんと、いつか社会派ドラマをやりたいって話していたと言っていたんです。
当時は脚本にのみ批判が寄せられていましたが、作品に関わった人々みんなで作り上げていったストーリーだったと、
10数年たってはじめて正解を聞いた気持ちになりました。
社会派ドラマ
というキーワードを聞いて、
宅間さんが書きたかった結末は、、、
ビトの死刑は執行されてしまう。
ビトがこの世を去ったあと、初犯が無実だったことや林の犯してきた罪の数々が明らかになる。
裁判員裁判に関わることの重大さ、偏見がもたらすことの罪の意識にビトを死に追いやった人々が苛まれていく。。。
だったんじゃないかなー。。。
と、勝手に考察がてら妄想してました。
『家族ゲーム』や『3年A組』、『35歳の高校生』と言った社会派ドラマに、これまで共感や考えさせられてきた静音ですが、
『スマイル』を見た時は、まだ考えが幼くただしんどいドラマとしか思えませんでした。
このドラマには宅間さんをはじめスタッフの方たちが込めた、社会が抱える闇が記されています。
人間の醜悪な部分や、現代社会の冷酷さ、権力社会が抱える問題。
そういった問題を、
リアルに描いたドラマ
であったと今なら言えます。
リアルであるが故に、とにかく苦しかったんだろうと。
近くにいる人にしか、ビトを救うことはできない。
そういったもどかしさを、実際に似た場面に直面した時に行動へ移す糧にして欲しい。
ひとりひとりの行動が、ビトや花や林の様な人物を生み出すかもしれない。救えるかもしれない。
罪とは一体何なのか。
罪を許しては、いけない。
しかし忘れてはいけない。
裏側に誰も知らない真実もあるということを。
そんな願いが、秘められていたのでは無いでしょうか。
ある意味激しく心を掴まれたドラマだったからこそ、鮮明に残っている。
私にとって『スマイル』は10年過ぎても、心に残るドラマなのです。