前に下の名前で呼ばれるって・・・でチョコンと触れましたが、
アメリカに来て、『所属や肩書き』よりも、『その人自身・個人』が尊重される文化を感じてます。
コレ本当にすごくて、アメリカの独立研究者(Principle investigator)って定年が無いんです
研究費を取り続ける限り、研究室を運営し続けることができるので、80代なのにバリバリやってる人って結構いるんです!
逆に、ノーベル賞の受賞者でも、『最近、彼あまりいい仕事出来てないよね』
みたいに、今現時点でどれくらいアクティブで良い仕事をしているか?で評価されて、ノーベル賞は結果であってその後の研究者としての地位を保証するものでは全然無いんです!
マジか!(ノーベルさんもビックリ!)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E
さらにアメリカでは、研究費に関してこんな慣例があります。
1)研究者として独立するときの最初の研究費獲得が、ある程度甘めの基準
2)巨大な老舗ラボには、公的資金は制限されて足りない分は民間から取得する
3)大きな有名ラボ出身と、小さな無名ラボ出身では、評価が違う
1) 若い研究者は、研究費申請のための予備データがシニアな人たちに比べると少ないわけです。ですから最初だけは、将来の可能性を潰さない様にチャンスの間口を広げているのです。
2) あんまりエスタブリッシュした研究室がバンバン公的な研究費を取ると、小さな研究室に割り当てる予算が減るので、多様性を保つためにこういったシステムを取るのです。
3) 研究者の就職活動では、ラボの全員と面接をしたり、直接話をして評価されます。そこで大きな有名ラボにいたら、非常に良い論文がかけたりするのですが、『ボスの力であって本人の力では無いかも?』、とみなされることがありますし、逆に小さなラボに所属していて、すごいBig Journalでなくてもソコソコちゃんとしたオリジナリティーのある研究をしていたら、『一人できちんとできる人だ!』と評価が高くなることもあります 。
こういった点をみると、全体のバランスをみて多様性を担保しつつ、出来るだけフェアに、『個人を評価しよう!』ということに力を注いでいる印象を持ちます。日本よりも推薦状の意味合いが非常に高いのも、個人を尊重する文化に付随しているのでしょう。
とはいえ、研究者は大変です。。時代の流れが早いので、大体10年たったら全く別のことをしなければなりません。常に勉強して新しいことを取り入れながら、オリジナリティーのある研究を しなければ研究費を獲得し続けられないのです
資本主義社会では、3億円貯めたら、年利5%の運用で、寝てても生活できる様になります。ですが、研究の世界ってある意味、頭を使ったスポーツ選手みたいですネ
定年が無いって楽かなーって思ったアナタ!
研究の世界ってもーーーっと厳しい競争社会だったりするんです
で、今、コロナのワクチン開発のニュースで株式市場も大きく動いてますが、
第一相の治験で、中和抗体が全例で認められた、けど重要なデータ隠してる!とかで
モデルナ社の株価が大きく乱高下しています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-19/QALH3HDWRGG101
面白いのは、このモデルナ社の設立くらいから関わっている、
MITの超超超グレート教授 ロバート・サミュエル・ランガー教授
ストックオプションで3.2%の株を保有していて、総額10億ドル
やー、めちゃカッコいいですね!
ランガー 教授は、生体内で薬を目的の場所に届けるDDS(Drug Delivery System)が専門で、1100を超える論文と760もの特許を取得されているそうです。
アメリカでは研究費が取れないと・・ラボは閉鎖、失職してしまうのですが、
こんなスポーツ選手みたく稼げるチャンスがあるって、研究者も夢がありますね!
そして、こんなグレートな教授ですが、
きっとラボでは『ヘイ、ボブ!』って呼ばれてるんでしょうねー
読んで下さって有難う御座います。
今日もいいコトありますように
コメ