Q. 死とはなにか?

A. 死ぬということは、霊が肉体から脱皮して姿を現す過程のことです。何一つ怖がる要素はありません。死は有難い解放者です。死が自由をもたらしてくれるのです。

 

 地上では赤ん坊が生まれると喜びます。ところが、いよいよ地上へ誕生しようとする時、こちらでは泣いて別れを惜しむ霊が大勢いるのです。それと同じく、地上で誰かが死ぬと泣いて悲しみますが、こちらではその霊を出迎えて喜んでいる人たちがいます。

 

Q. 地上生活の目的は?

A. 地上へ誕生してくる目的は、各自の魂の成長と開発と発達を促進するような体験を積み、肉体の死後に待ち受ける次の段階の生活にふさわしい進化を遂げることです。地上はトレーニングセンターのようなものです。地上は幼稚園であり、霊界は大人の学校です。

 

 あなた方にとってイヤな体験こそ本当は一番ためになるのですよ、と繰り返し申し上げるのはそういう理由からです。魂が目覚めるのは呑気な生活の中ではなく、嵐のような生活の中においてこそです。

 

 酷い目に遭わなくてはいけません。しごかれないといけません。磨かれないといけません。人生の絶頂と同時にどん底も体験しなくてはいけません。地上だからこそ味わえる体験を積まないといけません。かくして霊は一段と威力を増し強化されて、死後に待ち受ける生活への備えができるのです。

 

     

 

A. 霊界での生活は?

Q. こちらには昼も夜もありません。こちらには永遠の光が存在します。地上のような時間というものがありません。

 

 こちらへ来てからも仕事があります。が、それは自分がやりたいと思う仕事であって、お金を稼ぐためとか家賃を払うためとか衣服や食糧を買うためにするのではありません。

 

 地上で発揮されることのなかった能力や才能や技能をもつ人が次々と霊界へやって参ります。そういう人たちはこちらでそれを存分に発揮して、霊界の住人として全体の豊かさの向上に寄与することができます。

 

 霊界には無限の種類の楽しみがあります。音楽が好きであれば地上と霊界の名曲を鑑賞することができます。コンサートも開かれております。絵画に興味のある人も地上と霊界の傑作のすべてを鑑賞することができます。

 

 海もあれば山もあり、湖もあり、花も樹木もあり、動物も小鳥もいます。その美しさは、地上の言葉では言い表せない色彩や光輝をもっています。またある程度の霊性に目覚めた者なら、もはや物質界での愉しみ(飲食欲・性欲など)を求めなくなります。

 

Q. 物的財産というものがなくなれば、貪欲とか支配欲(権力欲)とかもなくなりますか?

A. いわゆる霊界でも、地上圏に近い幽界の低層には、まだ貪欲とか支配欲とかが存在します。忘れてならないのは、死んだ人間は霊的には死ぬ前とまったく同じであることです。地上と違って霊界は、思念が実在の世界です。心に思うことに実体が伴い実感があるのです。隠し事はできません、本音と建て前の使い分けもできません。

 

 困ったことに、支配欲や強欲は霊を地上へ縛りつけます。身体的に死んでいますが、同時に霊的にも死んだも同然の状態です。波長が私たちより人間の方に近い状態です。そこで同じ欲に燃えた地上の人間と感応し合って、その欲望を増幅してまいります。

 

Q. ということは、地上近くをうろつく霊がますます増え、同時にそれが地上問題の解決を難しくしているのですか?

A. その通りです。というのは、こちらの世界は地上からの他界者で構成されていることを知らねばなりません。地球からの渡来者しかいないのです。何の用意も身支度もできていない未発達霊や適応性のない霊を、そちらから送り込んでいるかぎり、地上と霊界双方の問題を増幅するばかりです。

 

 それで私たちが地上人類の啓発のためにこうして働いているのです。暴力、貪欲、唯物思想、利己主義、強欲など、要するに世界各地での戦争と不協和音と分裂の元凶である恐ろしいガンの発生を防ぐためです。

 

  『シルバーバーチの霊訓』 より