台風の規模からして災害の危険性は十分に予知できたのに、なぜ今頃になってしか対策本部をつくらないのだろうか? 前回の台風のときも、首相はツイッターでは何も言及しなかった。そして自民党の緊急役員会で「 「予測されていたことから比べると、(被害は)まずまずに収まったという感じだが、相当の被害が広範に及んでいる」 との二階氏の発言。

 この姿勢は戦時政権と変わらない。状況についての包括的で正確な認識をしようとしない。対策は後手後手。あるいは、十分な情報もないまま計画して、致命的な失敗を冒す。でも失敗の責任はうやむやで、誰も責任をとらない。市民が犠牲になり困窮しても、現場の人たちが苦労していても、「お国のために」尽くせ。撤退するときは自分たちが先で、市民は捨て置く。破局や失政、汚職への反省もないまま、いつの間にか復権している。

 稲尾投手が長嶋選手の読みが分からず苦手にしていたが、「何も考えていない」と気づいてから抑えられるようになった。同じように、危機管理に関して、いまの政権にどうして?と思う方がおかしいのかもしれない。政権の発想は根本から違うと思った方が分かる。市民のことは、働いて税金を納める機械。機械が壊れたら困るからな、というのが基本的人権。機械だから、税金を納めることに専念して、自由とか政治的主張とか脇にそれてはいけない。とにかく従え、疑うな。そうしたらコネでいい目に合わせてあげる。選挙向けのメディアコントロールでもなんでも活用して、とにかく体制を維持できればいい。というわけで、いまの政権に何かを期待する方がおかしい。

 被害の実態はこれから少しづつ明らかになってくるだろう。またどんなスタンドプレイを見せてくれるのだろうか。