渡部昇一は著書「発想力(講談社現代新書)」の中で、リソースフル
(発想豊かな)人間になることをすすめている。渡部氏は太平洋戦争を
例に出していかに発想力が重要であるか説明する。
ミッドウエイ海戦を境に戦況が米国に傾き、東南アジアの各戦線にお
いても日本陸軍は苦戦を強いられることになる。各地で日本陸軍は肉弾
戦で連合軍に立ち向かうものの、圧倒的な物資と物量を有する連合軍に
次から次に殲滅されていく。猪突猛進以外に何の策もなかった当時の将
校の中にあって、当時としては珍しいリソースフルな将校が一人いた。
名を宮崎繁三郎という。宮崎少将は、支隊は率いて、唯一敵のふところ
深く攻め入り敵地を占領するという快挙を成し遂げる。また、占領地で
大いに持ちこたえ敵軍を悩ませた後、傷病兵を一人も見捨てることなく
撤退させることに成功したのである。
宮崎少将はこの戦いが「武士道精神」だけでは立ちゆかないことを早
くから察知し、「物資」を確保することを最重要課題にとらえた。日本
の物資は脆弱であり後方からの物資調達は無理と宮崎少将は判断するや、
部下に日本製の兵器を全部うち捨てさせ、敵から奪った兵器と豊富な弾
薬で戦い、敵軍を殲滅してはまた敵国の兵器と弾薬を補充するという手
段をとったのである。もし、宮崎少将が物資の後方支援を当てにしてい
たら、弾薬を空にしてしまい、他の部隊と同じように刀剣で玉砕するし
かなかったであろう。
話を現代に戻す。三菱自動車のリコール隠しは、「三菱」という御旗
のもと頭を回転させることなく、ひたすら体裁をつくろうとした幹部達
の責任である。彼らは、名門三菱グループの参列企業の中にあって派閥
争いや権力調整など社内政治の力学に精通し、その技をもってトップま
で登りつめたに違いない。もし、前述の宮崎少将のように名を捨て実を
とり現実的な対応をとることができていたら、ダイムラーに見捨てられ
ることもなく、たくさんの社員達とその家族を不安に陥れることもなか
った。
技術の進歩や環境の変化のスピードが著しい現代にあっては、エクセ
レントリーダーはリソースフル人間であることが要求される。これから
の時代を生き抜くことができる者は、自分の周りしか見えない専門バカ
ではなく、グローバルな視点で社会の変化を読み取り、危機を適切に回
避するとともに、小さなビジネスチャンスを逃さずとらえ、想像力を発
揮して夢を現実に変え、企業の発展に寄与することができるものでなけ
ればならない。それが可能なエクセレントリーダーは、固定観念にとら
われることなく、リソースフル「汲めども尽きせぬ知恵の泉」を有する
ものである。
今週から、書物、書類やドキュメントから、必要な情報を迅速かつ的
確に取り出すことができるようになるための「読解力」と、集めた情報
から豊かな企画や発想を生み出す「発想力」を中心に解説していきたい
と考えている。
(発想豊かな)人間になることをすすめている。渡部氏は太平洋戦争を
例に出していかに発想力が重要であるか説明する。
ミッドウエイ海戦を境に戦況が米国に傾き、東南アジアの各戦線にお
いても日本陸軍は苦戦を強いられることになる。各地で日本陸軍は肉弾
戦で連合軍に立ち向かうものの、圧倒的な物資と物量を有する連合軍に
次から次に殲滅されていく。猪突猛進以外に何の策もなかった当時の将
校の中にあって、当時としては珍しいリソースフルな将校が一人いた。
名を宮崎繁三郎という。宮崎少将は、支隊は率いて、唯一敵のふところ
深く攻め入り敵地を占領するという快挙を成し遂げる。また、占領地で
大いに持ちこたえ敵軍を悩ませた後、傷病兵を一人も見捨てることなく
撤退させることに成功したのである。
宮崎少将はこの戦いが「武士道精神」だけでは立ちゆかないことを早
くから察知し、「物資」を確保することを最重要課題にとらえた。日本
の物資は脆弱であり後方からの物資調達は無理と宮崎少将は判断するや、
部下に日本製の兵器を全部うち捨てさせ、敵から奪った兵器と豊富な弾
薬で戦い、敵軍を殲滅してはまた敵国の兵器と弾薬を補充するという手
段をとったのである。もし、宮崎少将が物資の後方支援を当てにしてい
たら、弾薬を空にしてしまい、他の部隊と同じように刀剣で玉砕するし
かなかったであろう。
話を現代に戻す。三菱自動車のリコール隠しは、「三菱」という御旗
のもと頭を回転させることなく、ひたすら体裁をつくろうとした幹部達
の責任である。彼らは、名門三菱グループの参列企業の中にあって派閥
争いや権力調整など社内政治の力学に精通し、その技をもってトップま
で登りつめたに違いない。もし、前述の宮崎少将のように名を捨て実を
とり現実的な対応をとることができていたら、ダイムラーに見捨てられ
ることもなく、たくさんの社員達とその家族を不安に陥れることもなか
った。
技術の進歩や環境の変化のスピードが著しい現代にあっては、エクセ
レントリーダーはリソースフル人間であることが要求される。これから
の時代を生き抜くことができる者は、自分の周りしか見えない専門バカ
ではなく、グローバルな視点で社会の変化を読み取り、危機を適切に回
避するとともに、小さなビジネスチャンスを逃さずとらえ、想像力を発
揮して夢を現実に変え、企業の発展に寄与することができるものでなけ
ればならない。それが可能なエクセレントリーダーは、固定観念にとら
われることなく、リソースフル「汲めども尽きせぬ知恵の泉」を有する
ものである。
今週から、書物、書類やドキュメントから、必要な情報を迅速かつ的
確に取り出すことができるようになるための「読解力」と、集めた情報
から豊かな企画や発想を生み出す「発想力」を中心に解説していきたい
と考えている。