日本の家と結露 #2 | ハウスクリエイト 熱血社長の木の家ブログ

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日本の家と結露 #2

日本の家は結露発生器状態?

結露が起こる原理がわかったてきたところで、結露を防ぐ方法を考えてみます。結露を防ぐには下記の2つの方法があります。
1つは空気を冷やさないことです。冷えなければ空気は小さくならないのですから絶対に結露しません。
もう1つは含んでいる水蒸気の量を少なくすることです。空気中に入っている水蒸気が少なければ、その
空気は冷やされても冷やされても結露するところまで至りません。この状況は絶対にとはいえませんが、
露しにくい状態
といえます。
日本の家4

欧米では前者の冷やさない方法を採ってきました、日本では後者の空気中の水蒸気を減らす方法を採られて
きました。なぜかというと日本の家は寒いので、冷やさないというわけにはいかなかったからです。ですか
ら隙間風が出入りして水蒸気を飛ばすくらいのほうが安全だといわれてきたのです。しかし、この日本の結
露対策は残念ながらよい結果をうみませんでした。そのために家の中にカビ・ダニを繁殖させるような結果
になってしまいました。

表面結露と内部結露

よく結露のお話しがでますが、結露には表面結露と内部結露の2つの結露があって、それぞれ違った性格をも
ちます。表面結露というのは文字どおり部屋の内装表面に起こる結露のことです。よく話題となる結露で
す。また、内部結露というのは壁の内部や天井裏、床下など見えない部分で起こる結露です。見えないので
いつの間にか壁の中を腐らせたり、シロアリを招いたりするきけんなものです。
まずは表面結露についてみてみます。

押入れとタンスの裏側は結露しやすい

日本の家では押入れの中やタンスの裏側がビショビショで、お風呂の天井がカビだらけという話しをよく聞きます。
なぜ押入れやタンスの裏側に結露するのでしょうか。
押入れは襖で仕切られ中には布団が詰まっています。襖や布団が断熱材となって、室内の熱が押入れの奥に
回らないように働いています。タンスも同じです。タンス自体が断熱材になって、室内の熱を壁の奥まで伝
わらないようにしているのです。このため、押入れの奥やタンスの裏側は冷えやすくなっています。そこに
水蒸気が回り込めば結露が発生しやすくなります。水蒸気というのはとても小さなもので、圧力差でどこま
でも飛んでいきますから、熱が回らない部分でも回り込んでしまいます。
押入れとタンスの結露

木の板に口をつけて息を吹きかけると息は跳ね返ってきますが、水蒸気は板の中まで浸透します。ビニール
クロスの下地に使われている石膏ボードも同じように中まで浸透します。それほど水蒸気は小さくて、どこ
までも回り込んでしまうと思わなければなりません。ガラスや金属以外は透過してしまうと考えなければな
りません。

個別・間欠暖房

家の中には同じように熱が回らないで冷え込んでいる部分があります。それが非暖房室です。日本の家は特
定の部屋だけ暖房してほかの部屋は寒いままがあたりまえになっています。これを個別暖房といいます。し
かし、欧米の家の中を見ますとこの常識が日本だけのものだったと知ることができます。
欧米では家の中すべてがあたたかいのです。これを全室暖房または全館暖房もしくはセントラルヒーティン
といいます。
さらに、日本の場合は家を留守にするときには暖房を消して出かけます。これを間欠暖房といいます。
個別暖房・全室暖房

個別暖房で暖房している部屋の水蒸気が冷えた非暖房室に流れれば、結露の危険が生じます。最も冷えた部
屋に集中して結露しますから、まず最初に結露するのは窓ガラスでしょう。暖房している部屋の窓ガラスは
結露しないので安心していると、北側の部屋や便所の窓ガラスが激しく結露していたりします。
暖房中・非暖房室の結露

日本で一般的に使われている暖房器といえば石油やガスを燃料としたストーブまたはファンヒーターです。
このストーブは室内の酸素を燃やして、燃焼ガスを室内に吹き出すので開放型ストーブと呼ばれています。
この開放型ストーブは、嫌なニオイを出して、炭酸ガスを放出し、窒素酸化物など化学物質も吹き出しま
す。そして、ガスとともに大量の水が吹き出されているのです。
石油を燃やすと炭酸ガスと水が発生します。1リットルの石油を燃やすと実に1130gの水が発生しています。ちょっ不思議な現象ですが、驚くほだ水を吹き出しながら燃えていることを知る必要があります。
石油だけでなく、化石燃料はすべて同じです。水はプロパンガスからも出ますし、都市ガスからはもっと激しく出ます。開放型ストーブは結露を起こすための最大の要因だといえます。
都市ガス・プロパンガス・灯油水、蒸気発生量

以上のような断熱・気密性に無頓着な日本の家は暖房にも無頓着で、個別暖房で間欠暖房運転をあたりまえ
にしてきました。そして、有害なガスとともに水を大量に吹き出す開放型ストーブを燃やして不安になるこ
ともありません。また、すき間だらけだった日本の家もアルミサッシなどで気密性が高まり、機械的な換気
が必要になっているのに、隙間風で十分と思いこんで換気しようとしません。内装材も昔は調湿性のある
自然の材でつくられていましたが、今では新建材に変わって調湿する力を失いました。
こんな状況の日本の家は結露してあたりまえ。というより、結露させるように生活しているようなものです。
現代の日本の家はいろんな意味で結露発生器の状態となっています。

次回につづく