先日、お施主様との仕様打合せで、建物の断熱の性能と結露の議題があがりました。
そこで、結露とカビとダニのお話しをします。
ある研究資料から、4人家族の住宅で1日の生活をみると、身体から発散されたり炊事などで9リットル前後もの水蒸気が発生するそうです。これは一升びん5本分に当たる量です。
そして以外に思えるのが、身体から4リットルもの水蒸気が出ているというのです。
これらの水蒸気が、低温の窓や非暖房室で冷えて水に戻り、結露していきます。
これは夏に飲む冷たいビールのコップの表面に水滴がつく原理と同じです。
さらに、石油ストーブや燃焼ガスが室内に放出されるファンヒーターなどを使っている場合は、灯油が燃えた分、水蒸気が発生してそれが結露の原因となります。
こうした結露は、ほとんどの人がすでに経験ずみのことと思います。
そして、結露があるところは湿度が高いため、カビが増えます。カビの増殖域は、温度が20℃~30℃、湿度が60~100%といわれています。カビが増えると、それを栄養源としてダニも増殖しやすくなっていきます。危険なのは、これらの胞子や糞が、人体に吸い込まれて喘息やアトピーなどのアレルギーなどを引き起こす大きな要因となっていることです。
正しい断熱施工によって建てられた家は、計画換気が正しく行われるように気密性も高められています。
そのため、絶対湿度の低い新鮮な空気を取り入れ、湿度が高く汚れた室内の空気を外に捨てることにより適度に乾燥した状態が保たれます。また、全室暖房が可能となり各部屋との温度差が少なく抑えられれば、結露はほとんど発生しません。結露が生じないということは、カビやダニの繁殖を抑えることにつながります。
この結露は、家を建てた方のいろいろなアンケート調査の不満に思うことに、最上位近くにあげられています。
国の省エネ法が改正され、なぜ高性能断熱・気密住宅がよいのか?が、こういった人へ与える影響、健康からも必要なことと思います。