おかきおかきおかきオカキオカキお描きお書きokaki……。

あああっ、もう気が狂いそうだ!okakiばっかり!okakiてんごく!いやじごく!


わたしは神様に問いたい。「この世に、あれほど大量のokakiが必要なのですか?」と…。


さっぶいさっぶい朝、こたつから身を剥がすように起きると、しみじみとつらい気分に襲われます。
「ああ、今日もまた1日、おかき(orビール)を詰めて詰めて詰めまくるんだね……」
機械であるわたしに、お化粧も、着ていく服を悩む必要もありません。顔だけちょろりと洗って、髪の毛もテキトーにひっくくって、セーターを5枚くらい重ね着して、ジーンズの下にスパッツ、スパッツの下にハイソックスを履いて、完全防寒で家を出ます。


工場って、めっちゃ寒いんです。
暖房はなくて、屋根があるだけの半屋外状態ですから、気温もほぼ外と同じ。風がないだけ外よりはマシですが…。
一応、希望者にはカイロが配られるので、それを背中に貼るのがMAXの暖房設備…足裏とか、相当ヤバいです。小指がちぎれそう。
あちこち動き回る仕事なら、自然に暖まるわけですが、何しろ同じ姿勢で立ちっぱなしで、動きといったら右のものを左に動かしているだけですからねえ。それに寒さが加わるので、5分も作業していたら身体は見事に硬直します。折を見て、作業中に足を上げ下げしたりして、筋肉をほぐさないと、休憩に行くときマリオネットみたいな動きになってしまいます。


身体、間違いなくいわしますよねえ。これ続けてたら。常勤の従業員のみなさんは、大丈夫なんでしょうか…?
わたしも、普段は腰痛なんかまったくならないのに、初日の次の日、腰が曲がらなかったですからねえ。朝起きて、「な、何やこれは!?」と驚愕しましたよ(苦笑)。
腰以外だと、ビニール袋をひたすら開けまくる作業につかされたとき、手に無数の擦り傷が出来て、小学校以来の皸(アカギレ。今変換したらこんな漢字が出て来て驚いた)になってしまいました。今どきアカギレって、昭和前半の子供かいな…。


しかし、朝から夕方まで、ずーっとおかきと触れ合っていると(涙)、あれこれとりとめもないことを考えてしまいますね。


「職業に貴賎なしっていうけども、ほんまにそうなんか?」

「結局、資本主義社会とゆうのは、消費する人間が一番エライことになるんや」

「そら、低賃金でこんな労働しとったら、マリー・アントワネットをギロチンにかけたくもなるわなあ」

「今後の人生の時間の8割がおかき詰めっていう運命やったら、何を生きがいにするべきやろうか」

「華やかな物質社会を支えているのは、こういう、華やかさのカケラもない殺伐とした労働なんやわ」

「そう考えると、100円ショップで買い物するのがいたたまれなくなるわ(←と云いつつ、あると吸い込まれて行く)」


そんなひとりごとが、頭をよぎっては去っていきます。


…なんて考えていると、レーンの作業がどこぞで追われ出し、監督のオバハンの銅鑼声が。
「もっと早くやってよ!」「何で出けへんのよ!」
まーこのオバハンは、1日中こんな調子です。気心の知れた?従業員ならともかく、昨日今日やって来た派遣やバイトからすると、何やこのオバハン、としか思えないわけで。
はっきり云ってテンパりすぎなんですよ、この人は。例えば、わたしがレーンの一番最初の”箱折り”をやっていたとき、「まだ流さんといてね」と云われたので流さずに折った箱を手元にためていると、1分後くらいに急に「ちょっとあんた!!何で流さへんの!!」「……(怒)」


なんというかもう、”プロレタリアートの真髄を見るような職場”ですね。朝の強制ラジオ体操とか…。
一見裕福な国である日本でも、まだまだこういう職場ってあるんですねえ。特に同年代の友人知人たちは、ほとんどが第三次産業に就いているので、「こういう世界もあるのね」と、しみじみ思わずにはおれません。
途上国の工場労働(特に先進国資本の)なんか、もっと凄まじいんだろうなあ…。それこそ人権とかカンケーなく働かされてそう。ほんまもんの”女工哀史”が繰り広げられていそう。
それに比べたらここは、相当恵まれているのかな。そういえばこの工場には、中国人の労働者もけっこういました。いくらもらっているんだろう?


ちなみに、わたしがこの労働で1日にもらえるお金は、6000円弱です。
午前中に5分、昼食時が60分、午後に15分の休憩があって、その分きっちり給料引かれてまして、さらには交通費も出ない…ああ、あの派遣会社はやっぱダメだ!だって、ほかの派遣の人は、交通費も出てるし、昼休憩以外は勤務時間に含まれてるもんね!

工場もけっこうセコくて、例えば4時58分に終わるでしょ。そしたら、55分でタイムシートをつけるんですよ。で、派遣の方が10分毎の計算をするから、50分までしか勤務してないことになるわけ!二重搾取!(←大げさ)
いっぺん、59分のときに、事務の女の人がめちゃめちゃ渋い顔をして、「5時でつけといてあげますね」とか云ってたな…。反射的に、ありがとうございますと云ってしまった自分が、マジでしょーもない存在と思ったな…。そらまあ、雇う側としたら、1円でも安く(こき)使いたいというのが偽りなき心情でしょうけどねえ。


とりあえず、なんとなく、次回に続く。