M-1グランプリ決勝進出者が発表されましたねえ~。
わたしの好きな芸人さんも入っていて、かなりテンション上がりました。
何せ、2001年以来の4年越しのM-1ですから!今年はM-1とオールザッツ漫才(やるのかな?)で、正しい関西人の年末を過ごしたいと思います。


さて、バイト疲れで死んでしまう前に、少々古いですが、今回は、「旅のノンフィクション大賞」授賞式の話を書きます。


”黒装束を着るか否か?それが問題だ。”
授賞式前日、東北在住の友人と電話で話していて、わたしがこのことを話すと、
「うーん…大阪ならそういうノリもありなのかも知れないけど、東北ではまず考えられないねー。しかも、○売新聞でしょ?カタいと思うよー、そういうの」
と云われ、電話を切ったあともご丁寧に、
「パペットマペットで授賞式に臨まないように」
というメールが来ていました。


父ちゃんも父ちゃんで、彼はその日から1泊2日でゴルフ旅行だったので、朝方出かけるときに、「お前、ちゃんとした格好で行けよ~」と釘を刺されてしまい、「いや~実は黒装束でね…」とはとても云えませんでした。


懊悩したあげく…わたしは、黒装束を着ることに決めました。
とは云え、小心者で姑息な性格なので、万一周囲の冷たい目に晒されたときのために、ツッコミ要員としての友人を一人、あらかじめ用意していたのです。
しかし、その友人には当日まで、何の用事かは告げず、ただ「12月4日の午後から夕方までつきあってほしーところがあるねん」と云っただけでした。いや、何かその方が楽しいかなと思って;


当日は土砂降りでした。くそっ、テンション下がるのう…。
さすがに電車で黒装束はマズイので、一応スーツを着て出かけ、会場で着替えるつもりで黒装束をかばんに忍ばせておきました。
それでも、いざ会場前まで来ても、友人に「どーしよどーしよ…やっぱスーツのままがええかなあ…」と泣きつくわたし。友人からすればヒトゴトなので、「ええやん。黒いの着たら」とさらっと云って下さいます。
そうは云うけどさあ…次々と会場に入っていく面々を見ると、誰もがごくごく普通の格好なのです。スーツか、大人しめカジュアルみたいなの。


まあでも…連れている友人からして、男なのに頭をお団子ヘアーにしているよーな奴なので、今さらわたしがスーツで改まることもあるまい…でも受付だけはスーツで済まそう。過激派と間違えられて尋問されても困るし。


ということで、何食わぬ顔で受付を済ませたあと、会場の様子をうかがいつつ、おもむろに女子トイレに駆け込み、着替えて出て来ました。
一人なら相当な勇気を要するけれども、一応外には友人が待っていてくれていると思うと、だいぶ心の余裕がありました。
ああ、しかし…激しく浮きまくっとる(よーな気がする)…。さすがに覆面はしなかったけれど、それでも充分ヘンやぞ、オレ…。味方であるはずの友達までが失笑しとるやないかい。
誰かがサリーとかアオザイを着ているとか、そういうのがあれば…いや、せめてヒッピーっぽいのとかがいれば…。


式は、わりに淡々と進んでいきました。
写真とエッセイの各佳作、高校生部門賞、各優秀賞、各大賞の順で表彰があり、その後審査員講評。
今回は、エッセイの応募は882通あったそうで、そのうち佳作が5本、優秀賞が2本、大賞が1本ということで、一応それなりの競争をくぐり抜けて選ばれたらしいです(うわ、自慢しとるな~)。


あ、ちなみに、皆さんが期待しておられた○名誠さん、○田荘子さんの出席はありませんでした。思ったよりも、かなりこじんまりした式だったのですよ。
式の中で一番印象に残っているのは、司会の女性(未知やすえを一回り小さくしたよーな風貌)が妙にハイテンションで、エッセイ大賞の女の子にインタビューを迫って女の子がビビっていたのが笑えました。


そういえば、優秀賞を取った人は、「世界一周新婚旅行の記録」 というモバイル旅行記をやっていらしたご夫婦の旦那さんでした。
サイトは知っていたのですが、会場で奥さんから「もしかして野ぎくさん?」と声をかけていただいて、「え?どちらさまですか?」と尋ね返すと、実は…というわけ。いやー、旅人の世界はやっぱ狭いっす。
でもあちらさんは優秀賞で15万円…同業者(?)としては、やっぱ悔しいですね。


さて、式のあとはさっさと着替えて退散しようかと思っていたら、審査員と受賞者との懇親会みたいなのがありました。
審査員の人(○売新聞のえらい?人と、○南大学の教授)が、満べんなく話を振っていくのですが…何かもう、悲しいくらい盛り上がらない(笑)。


そして何よりも悲しかったのは、わたしの黒装束について、一言も触れられなかったということ。
わたしだって何も、ふざけて黒装束を着ているワケではなく(いや、半分ふざけてるけど)、今回の作品の舞台がイランなので、イランの正装をしてきた、という大義名分がちゃんとあるのよ。
それくらい、旅のノンフィクションエッセイを審査する人なら、気づきそうなもんなんだけど…完全にスルーですか!!!はああ…何か「こいつ、ヘンに目立とうとしてあんなカッコして来て、寒いよな~。こういうやつ、いるんだよね毎回…」とか思われてそう…。それか、意外と普通のスーツか何かに見えてたとか??(どんな目をしとんねん)


ああ、でもよかった…友達連れて来といて。
「なんか全然反応がなかったよ~;_;」
「まあ新聞社なんてそんなもんやろ。結局は無難なものが喜ばれるんやって」
と慰めてもらいながら帰路につき、つきあってもらったお礼に、今日の賞金でしゃぶしゃぶの食べ放題をごちそうしました。帰って来てから、人におごったのなんて、これが初めてだ(泣)。


jusho 友人が撮った写真。ていうか何でこんな角度で撮るんだ;