放浪娘と男
雪が降ってて
吐く息は白い
レンガ街灯通りを行き交う人々
通りじゃ皆コートをしっかりと着込んで
街灯にもポストにも
至る所で雪が積もってる
レンガ街灯通り
買い出し道の途中
好きな時に好きな場所へ旅立ってしまうような、旅に心を奪われた
放浪癖丸出しの娘に
惚れてしまったとある男は意を決し
ここで一緒に暮らさないか?
そう娘に告げた
そして、その娘の自由さを奪わまいと
帰りたい時に帰っておいで家の暖炉に火をともしておくよ
君がいつでも帰れるように
と告げた
レンガ街灯通り
買い出し道の途中
娘は無言で頷き
身体を寄せた
腕を組んで二人は歩いてく
凍える夜の散歩
心だけは暖かく
時の流れは遅く
二人だけの世界が広がっていた
甘い世界
二人の世界と
その呼吸が。