画家と少年3

自分のアトリエに見知らぬ少年が居る。しかも絵を描いている。

苦悩している事もあり、どなり散らす画家。驚く少年。

「すみません。すぐに出て行きます。ごめんなさい。」

何かに気付く画家。
出ようとする少年。

「待て。」
「は、はい。」
「これはお前が描いたのか?」
「は、はい。勝手にすみません。」
「お前、絵をどこかで習っていたのか?」
「いえ。滅相もないです。家は貧乏で1人でノートとかに描いたりしていました。」
「(独学でこれを・・・)お前、歳は?」
「13です。」
「(13才でこれを・・・)」
「あの、帰ります。すみませんでした!」

急に走り出す少年。

「待てっ!」
画家は必死に追いかけようとするが、新聞配達で鍛えられている少年の足に到底、追い付く事は出来なかった。

落胆し、肩を落としながら振り向く画家。
そこには、先程まで真っ白だったキャンパスに幻想的かつ雄大な龍の絵が描かれていた。


これが後の「鬼GASHILA紋次郎」と、「九条IN武一郎」の衝撃の出会いであった。


終わり


山崎ユタカ