画家と少年

ある街に少年がいた。
その少年の家は決して裕福とは言えず、寧ろ、一般的には貧しい生活を送っていた。

ある街に一人の画家がいた。
その画家は若くして「天才」と呼ばれ、一般的には成功したと言える生活を送っていた。

少年は、時間を見つけては絵を描いていた。公園の土、裏紙、そして、頭の中に。絵を描いている時間だけが少年の救いであり、この貧しい生活、現実を忘れさせてくれる唯一の光でもあった。


続く


山崎ユタカ