〇少陽篇の大意

  少陽病・・・邪気が表と裏の間にあるもの

 

  少陽病になる経路は、3通り説明されている

    1.伝経:太陽病や陽明病からの伝経

    2.直中:直接、少陽経が侵される

    3.回復:太陰病もしくは少陰病もしくは厥陰病から回復する

 

  古典に「血が弱り、気も尽きた。そのため腠理が開き、邪気がそれによって正気と相打ち

  合い、脇下に結した」とあるそうです。

  ここで『脇下』というのがキーになりまして、脇下は少陽胆経の経路になるそうです。

 

  ※腠理とは、『腠理の肌目』と言われて使われていることが多いと思います。

   ご存じない方もいるかも知れないので蛇足ながら腠理とは皮膚の境目のことですが、解剖学

   的な表皮とか真皮とかの境ではなく、自分が教わったのは「自分の手を見て。手を横向きに

   してよく見ると、手の甲側の皮膚と手のひら側の皮膚の肌理(キメ)のぶつかる境になると

   ころがある。その境目を腠理といいます」と教わりました。傷寒論の中にも「腠理が開いて

   寒が入る」という記載があったと思います。外邪が入りこむところのひとつと考えておけば

   良いのではないでしょうか。

 

  (病証)口苦・のどの渇き・目眩・耳聾・舌上黄白・往来実熱(悪寒と発熱が交互に出る)・

      胸脇苦満・胸脇苦痛・黙々として飲食を欲せず・心煩・喜嘔 など

  (脈) 弦 もしくは 緊

   ※上記の証の1から2個の証があれば少陽病となる

 

  (治法)

    ・傷寒論の少陽病脈証併治第九参照 と記載されています

     ※ざっくり内容抜粋すると

       ・口が苦く、咽喉が乾き、目が眩む。耳が聞こえにくくなり、目が赤く、胸苦しく

        なるもの

            → 柴胡剤を用いる

       ・太陽病が治らず少陽にまで熱が進んで脇下が硬くなり、乾燥して食欲がなく往来

        寒熱する

            → 吐剤や下剤は使ってはいけない、小柴胡湯がよい

       ・少陽病は無理に発汗・吐・くだしてはいけない

            → 柴胡剤を与えると

               ・少陽経に熱が多いと発汗して治る

               ・胆熱から胃熱になっているときは大便が出て治る

         など書かれています。

         詳しくは傷寒論を読んでみてください。

 

今回は、ここで終了します。

次回は、太陽と少陽の合病や併病から始めます。

 

(後記)

今日は疲れたので、寝ます。

職場で新型コロナがまた出て来ました。

皆さんも体調管理に注意してください。

それではまた、不定期で。