〇太陽病の上実

  ・邪気の上焦へのうっ滞により生じる

 

  (原因)

   1.痰涎が膈上に結している(粘稠な液が横隔膜付近に停滞している)

   2.宿食が上脘をふさいでいる(飲食物が胃腸の上部に停滞している)

   3.邪気が胸上に集まっている(邪気が胸の付近に集合している)

 

     ※上記の者は原因が異なるが、病証が似ている

 

ざっくりイメージですが上記の1~3の共通することは、胸(横隔膜の辺り)が詰まっている感じがあるって感じですね。1は痰などネバネバした体液が溜まって詰まらせている。(風呂の下水管が髪抜けや水垢などで詰まってる感じですね。(-_-;))2は食べ物などが詰まっている。(トイレで詰まらせてしまって流れない感じですね。)3は精神的に追い込まれて胸が詰まって胃が重くなっている感じですかね。原因は違うものの、何かが詰まっているっていうイメージでとらえると治法が考えつきます。

 

  (治法)

   ・太陽病の上実

       ↓

   ・太陽病証・陽明病証・少陰病証・厥陰病証を現わす

       ↓

   ・吐剤を与える

       ↓

   ・吐に従って邪気も去る

 

というように『吐き出させてしまえば、吐くもの全部吐けば楽になる』という感じです。

なんだかお酒に酔って戻している人みたいでナンですが・・・。

 

個人的なイメージですが、上焦で悪い物を体外に出させるのは吐剤(上から出させる)で、下焦から悪い物を体外に出させるのは下剤(お腹を下させて出す)で、中焦は症状により上から出すか下から出すか選んでいる感じです。これもきっと法則があるのだと思います。

 

さて、ここで内〇先生の注釈があります。

 

※裏虚なのに上実に似た病証を現わすことがある。これは補剤をあたえて虚を補えば上実に

 似た病証は消えるので、吐剤はいらない。

 

※上実と裏虚を兼ね備えている場合がある。この場合は先ず裏虚を補剤で補い、後に上実を

 吐剤で取り去る。

 

 

今回はここまでで終了します。

次回は『太陽病の縦横』から記載します。

 

 

(愚痴)

先日、N●Kの東洋医学の番組を見ました。

結構、ご覧になられた方が多いのではないでしょうか。

皆さんは、如何お感じになられたでしょうか。

自分は不完全燃焼です。

ぶっちゃけ(-_-;)という感じでした。

でも自分のクラスメートが青年海外協力隊で鍼灸で国外に行っていたので、少し懐かしく感じました。

 

正直なところ国内の漢方医学に関しては、現状の社会的評価の改善はあまり期待していません。

国内で漢方薬が医療保険で使うことができるのは、「現代医学の薬や治療がなかなか良い結果が出ないから、ダメもとで効いたら儲けものなんで試しに漢方薬でも使って見るか」で使ってみたら以外に良い結果が出たりするので使っているという医師が多いと聞いたことがあります。(実際にそのように本に書かれているものもありました。)残念ながらこのような医師の方達は、漢方薬や東洋医学はオカルトであり、非科学的な民間療法の域は出ないんでしょうね。

 

漢方薬が国際的に話題になったと記憶しているのは、自分がアメリカ留学中に海外の医師が認知症の一部の症状(興奮したり暴れたりする)がある患者に漢方薬の『抑肝散』を投薬したら症状が改善したと学会に発表し検証され話題になったことだったと思います。

漢方薬や東洋医学(伝統医学)が見直されるのは、海外で評価されることで地位や能力を評価されることになりますが、日本国内で海外の様に評価が良くなるというのはあまり期待しない方が良いのではないかと思います。

 

残念ですが明治維新までは漢方医学も流派があり、いろいろな治療法や秘伝があったようです。が、既に多くのものが断絶消滅しています。(明治政府で医学は西洋医学となり、国が認める医師は西洋医学を学んだ者のみになりましたから。鍼灸とかが国家資格になったのは30年くらい前からですからね。散々、訴えたり運動したりしてやっと勝ち得たそうです。)勿体ないことですが、それがこの国の真実です。武術の流派もしかりです。

 

『いつまでもあると思うな親と金』といいますが、伝統や技術や文化も同じですね。

諸行無常です。

 

本物や真実や真理があっても、それが正当に評価される訳ではないというのは世の真実ということでしょうか。

 

例え誰にも評価されず報われなくても出来る範囲で頑張りましょう。(笑)

 

ではでは、また不定期で。 _(._.)_