忡景の六経立論は、四季の話しから入ります。

 

  天地の間 → 陰 → 陰中の陰 = 春(老陰)

    ↓      → 陰中の陽 = 夏(少陰)  

    ↓

    ↓→→→ 陽 → 陽中の陽 = 秋(少陽)

           → 陽中の陰 = 冬(老陽)

 

東洋医学の勉強をした方ですと運気論とか学んだ方が多いのではないかと思います。

古典を読まれている方や運気についても気を付けている方ですと、四季や時間などでも運気が変化していくことをご存じだと思います。(自分はあまり気にしていないです。ただ知っておくと昔の人達が、天地や自然や人間などが地球や宇宙やすべての森羅万象と関わり合い影響しあっていると考えているのが多少なりともイメージできます。)

 

ちなみに運気論はスピリチュアルの幸運や不運とかの話ではありません。

 

判りやすいところで説明しますと、ざっくり1日のイメージで説明してみます。

  深夜(陰中の陰)→ 朝(陰中の陽)→ 真昼(陽中の陽)→ 夜(陽中の陰)→ 深夜

のように陰陽の気が循環して行くという考えです。

 

上記の陰陽などの気(人間だけでなく自然現象も含めて)がどのように運ばれているのかを、1日や1年やそれ以外のことなど分類し説明しているのが運気論だったと思います。(面白かったけど途中で治療論の勉強に切り替えました。(笑))

 

話しを戻します。

 

忡景の六経立論ではこの後に、一年の循環についての説明が続きます。

 

    春 → 土用 → 夏 → 土用 → (不明)

    ↑   (木)      (火)   ↓

    ↑                  ↓

    土用 ← 冬 ← 土用 ← 秋 ← 土用

    (水)      (金)      (土)

 

不明部分もちゃんと名称があると思いますが、医経解惑論の中では出ていなかったのでとりあえず不明にしてあります。

 

1年間を今日のブログで最初に書いた四季(陰陽)と上記の土用(木・火・土・金・水の五行)が含まれた運気の流れを話されています。(天も人もみんな運気(気の運行)で回っている。天人合一ですね。)

この辺は面白いのですが長くなるので、深く突っ込まないで次に進みます。(医経解惑論では深く触れていないので。)

 

次に  五行の火 = 君火 + 相火  という話が出てきます。

 

五行は五行思想(木火土金水)のことで、火はその五行の中の火のこと。

その五行の火は、君火(心臓の活動を意味しており、生理的な活動現象を表わし生命の根源的な力を表わしている)と相火(君火と相対し、腎陽が発揮する各臓腑を温養し機能活動を推動する)ものと説明されています。

 

ちなみに君火を心の陽気、相火を心の陰気と考えることも出来るようです。

(火以外も知りたかったですが、医経解惑論では記載が無くて残念です。)

 

次に六気になります。

 

六気 = 諸々の百病の原因で風・熱・火・湿・燥・寒の六つ

 

上記の六気が、それぞれの間で生・剋・復の作用を起こして変化をすることで千変万化し天地間に作用していると説明しています。

 

そして、上記の考えを基にして

 

  ・天の六気が静かに動いて行く → 生・長・化・収・蔵

  ・天の六気が激変する     → 災害を生じる

 

と説明されます。

 

生・長・化・収・蔵は、植物をイメージすると判りやすいです。

種を蒔き、芽が出る(生)、育っていき(長)、花が咲き(化)、実がなり(収)、種をつくる(蔵)というイメージで良いのではないかと思います。(正確にはちょっと違いますが、運気のイメージをつかむには判りやすいのではないかと思います。)

 

そして天の六気が激変して災害が起きるのは、イメージしやすいと思います。

急に熱くなったら熱中症や脱水症状が起きるし、それが続くと干ばつや山火事などが起きる。逆に急に寒くなったら低体温症や凍傷などが起きるし、それが続けば冷害などが起きたりします。

 

 

今回はここまでで終わりますね。

 

運気についてですが、少し学んでみると人間の生活習慣と関係していることが判ってきます。

農業だけでなく例えば鍼灸で時間によって鍼灸をしてはいけないとかいう時間があったりします。

非科学的という話を聞いたことがありますが、自分はそうとも言えないと思っています。

(そう言いながらも厳密には気にしていないですけどね・・・(-_-;) )

一般的に当時の食事の時間がこの時間で、その食後に直ぐに鍼灸するのは身体に悪そうだ、だからこの時間に鍼灸するのは避けるようにと言っていたんだなとイメージできるところもあります。

また他にも何でこの時間は五臓のどの臓器に対応する時間になっているのかとかも考えてみると、消化にかかる時間や消化するのにどのような順番で臓器を利用していると考えているのかとか逆に良く出来ている説だなと思います。人間観察を繰り返して、経験を基にして少しこじつけ感もあるけど理屈をつけて理論だてている。苦心惨憺して、この説を考えたんだなと感慨深いです。

 

東洋医学(伝統医学)って、本当に過去の人達の知識と経験から出来ている自然医学だとつくづく思います。

 

次回は三焦の話しから続けたいと思います。

 

今回もお疲れさまでした。 _(._.)_