能面と呼ばれた女の子

 

 

私は子供の頃、とても大人しい子供でした。
人と話すのが苦手で、いつも黙っていて、幼稚園でも目立たない子でした。
積み木とお人形遊びがもっぱらでした。

 

 


 

あるとき、同級生から「能面みたいだね」と言われたことがあります。
表情がなくて、何を考えているか分からない、という意味だったと思います。

 

 

自分では普通にしているつもりだったけれど、
人から見ると、私は笑わない子、

何を考えているか分からない子だったのだと思います。

 

 

でも今思うと、あの頃の私は、
人とどうやって話したらいいのか分からなかっただけで、
本当は、心の中ではいろいろなことを考えている子供でした。

 

 

たとえば近所のおばさんが

おせんべいをくれると言ったのだけど

私は首を横に振って要らないと断りました。

 

 

「あら、遠慮してるの?いいのよ!」と私に

おせんべいの袋を無理やり押し付けたのです。

 

 

私は家におせんべいは山のようにあるから
本当に遠慮したのですが

そのおばさんは子供が遠慮するなんてって
ちょっと怒っているようでした。



 

私は敏感に大人の反応が気になる子供でした。

そして大人の中で大人の話を聞くのも好きでした。

ずっと大人しく聞いていて

口で言うことと頭で考えていることが違うとか

なんとなく感覚で感じ取っていました。

 

大人になった今考えるとエンパスだったんだなって思います。