4-7(5) ジャンボ君 ボーイング747 (5)
このタイトルから
エアバスのジェット旅客機(2)
エアバスA321
エアバス・インダストリーが民間航空会社向けに開発した低翼双発中型ナローボディジェット旅客機。
1987年、エアバス・インダストリーはA320の開発を進める当初から計画していたA320の胴体延長型と短縮型の検討に着手、1988年5月、先ずはA320の胴体延長型の受注活動を開始した。航空会社からの受注を得て、胴体延長型(長胴型)をA321-100と名付け正式開発を決定した。エンジンはCFMI社のCFM56とIAE社のV2500を選定、A321-100はエンジンにインターナショナル・エアロエンジン(IAE)社のV2500を搭載、1993年3月、初飛行、1994年1月、ルフトハンザ航空に納入、初就航した。1995年4月、エンジンを強化、航続距離延長型のA321-200の開発を決定、1996年12月に初飛行、1997年4月に初就航した。生産機数は2018年時点で1,837機。
日本におけるA321
1998年(平成10年)3月、全日空(ANA)がB767-200の後継機として当時発注していたA340からの機種変更という形でエンジンにIAE V2500を搭載したA321-100を導入した。1998年(平成10年)3月から2000年(平成12年)6月までに7機を導入したが、全日空の路線需要に合わず2008年(平成20年)3月までに全機が早期退役した。2014年(平成26年)にB767-300の後継機としてA321を再度発注、2016年(平成28年)10月からエンジンにCFM56を搭載したA321-200を4機導入した。
A321 各型
・A321-100
エンジン: CFM56 x2 又は V2500 x2
最初の生産型 座席数 220席 初飛行1993年3月
・A321-200
エンジン:-100の強化型
生産型 航続距離延長型 初飛行1996年12月
A321-200 諸元
エンジン: IAE V2530-A5 推力13,610kg x2
又は CFMI CFM56-5B3 推力14,960kg x2
乗員:2名 乗客 170~220名
・全幅: 34.10m(シャークレット装備機 35.80m) ・全長: 44.51m ・全高: 11.76m
・最大離陸重量: 80,000kg ・最大巡航速度: 886km/h ・巡航速度: 840km/h
・航続距離: 5,950km
全日空(ANA)のA321-200
・JA101A(A321-131):登録1998年(平成10年)3月 抹消2007年(平成19年)9月
・JA102A(A321-131):登録1998年(平成10年)4月 抹消2008年(平成20年)3月
・JA103A(A321-131):登録1999年(平成11年)3月 抹消2006年(平成18年)3月
・JA104A(A321-131):登録1999年(平成11年)4月 抹消2006年(平成18年)6月
・JA105A(A321-131):登録1999年(平成11年)7月 抹消2006年(平成18年)9月
・JA106A(A321-131):登録2000年(平成12年)4月 抹消2006年(平成18年)12月
・JA107A(A321-131):登録2000年(平成12年)6月 抹消2007年(平成19年)3月
・JA111A(A321-211W):登録2016年(平成28年)10月
・JA112A(A321-211W):登録2016年(平成28年)11月
・JA113A(A321-211W):登録2016年(平成28年)12月
・JA114A(A321-211W):登録2017年(平成29年)2月
W:シャークレット装備
エアバスA321neo
新型エンジン(CFMI社のLEAP-1A又は P&W社のPW1100G-JM)を搭載した次世代機、neo化はA321でも行われた。A321neoの初号機A321-200neoはエンジンにLEAP-1Aを搭載、2016年2月に初飛行した。エンジンをPW1100G-JMに換装した機体の初飛行は2016年3月に行われた。更に航続距離延長型が計画され、これをA321LR(Long Range)と名付け開発、2018年4月に初飛行させた。2019年6月にはさらに航続力を強化した超長距離型A321XLRが発表された。
日本では全日空(ANA)が2017年(平成29年)4月からA321-200neoを導入している。
A321neo 各型
・A321-200neo
エンジン: CFMI LEAP-1A x2 又は P&W PW1100G-JM x2
-200をneo化 座席数 220席 初飛行2016年2月
A321-200neo 諸元
エンジン: P&W PW1130G-JM ターボファン 推力13,470kg x2
乗員:2名 乗客180~220名
・全幅: 34.10m(シャークレット装備機35.80m) ・全長: 44.51m ・全高: 11.76m
・最大離陸重量: 89,000kg ・最大巡航速度: 886km/h ・巡航速度: 840km/h
・航続距離: 7,400km
全日空(ANA)のA321-200neo
・JA131A(A321-272N):登録2017年(平成29年)9月
・JA132A(A321-272N):登録2017年(平成29年)10月
・JA133A(A321-272N):登録2018年(平成30年)5月
・JA134A(A321-272N):登録2018年(平成30年)7月
・JA135A(A321-272N):登録2018年(平成30年)8月
・JA136A(A321-272N):登録2018年(平成30年)8月
・JA137A(A321-272N):登録2018年(平成30年)8月
・JA138A(A321-272N):登録2018年(平成30年)9月
・JA139A(A321-272N):登録2018年(平成30年)12月
・JA140A(A321-272N):登録2018年(平成30年)12月
・JA141A(A321-272N):登録2019年(平成31年)1月
N:neo
エアバスA319
エアバス・インダストリーが民間航空会社向けに開発した低翼双発中型ナローボディジェット旅客機。
1990年初め、エアバス・インダストリーはA300の長胴型の開発が進む中、当初の構想とおりにA300の短胴型の検討に着手、1992年5月この短胴型をA319と名付け販売活動を開始した。
航空会社からの新しい性能の要望はなく、A300の胴体を短縮、A320の機能と共通化、エンジンはCFM56とV2500の推力抑制型を採用、1995年8月、エンジンにCFM56を搭載した機体、A319-100を初飛行させた。その後エンジンをV2500に換装、1996年5月に初飛行、1996年4月、スイス航空で初就航した。
1996年から納入を開始、2018年末の時点で1,475機を生産している。日本の航空会社からの発注はなかった。
A319-100 諸元
エンジン: CFMI CFM56-5B ターボファン 推力12,250kg x2
又は IAE V2527 ターボファン 推力11,250kg x2
乗員:2名 乗客 110~140名
・全幅: 34.10m(シャークレット装備機35.80m) ・全長: 33.84m ・全高: 11.76m
・最大離陸重量: 76,500kg ・最大巡航速度: 886km/h ・巡航速度:840km/h
・航続距離: 3,750km
エアバスA319neo
2010年12月、エアバス社は新型エンジン、CFMI LEAP-1A、P&W PW1100G-JMを搭載した次世代機A320neoファミリー機の開発を発表した。A319neoの初号機はエンジンにLEAP-1Aを搭載A319-100neoとして2017年3月に初飛行、エンジンをP&W PW1100G-JMに換装した機体を2019年4月に初飛行させた。
A319-100neo 諸元
エンジン: CFMI LEAP-1A ターボファン 推力12,340kg x2
乗員:2名 乗客 120~150名
・全幅: 34.10m(シャークレット装備機35.80m) ・全長: 33.84m ・全高: 11.76m
・最大離陸重量: 75,500kg ・最大巡航速度: 886km/h ・巡航速度: 840km/h
・航続距離: 5,950km
エアバスA318
エアバス・インダストリーが民間航空会社向けに開発した低翼双発小型ナローボディジェット旅客機。
1990年代前半、エアバス・インダストリーは座席数80~120席程度のA319よりさらに小型のジェット旅客機を計画、その過程でアジアとヨーロッパ企業による共同開発構想がまとまり、エアバス・インダストリー・アジアが設立された。アジア側では中国航空工業集団とシンガポール・テクノロジーがこれに参加、1997年5月機体開発に合意した。機体名をAE31Xとして、AE316基本型と胴体延長型のAE317を計画して、2003年就航を目指し詳細検討が始まったが投資に見合う収益が見込めずこの計画は中止となった。
この中で、エアバス・インダストリーは独自にA319をさらに短胴化、座席数100程度の小型機を計画、1998年9月、機体概要を発表した。1999年4月、これをA318と名付け、エンジンにP&WのPW600を選定、正式に開発を決定した。その後、エンジンにはPW600に加えCFMIのCFM56も選択、2002年1月、A318初号機がA318-100としてエンジンにPW600を搭載初飛行した。そのがエンジンをCFM56-5Bに換装、このエンジンのもとでの初飛行を2002年8月に行った。
2003年7月から航空会社に引渡しが始まり運航が開始された。A318の販売は伸びず、2018年7月までに80機が生産、納入されている。A318のneo化は行われていない。日本の航空会社からの発注はなかった。
A318-100 諸元
エンジン: CFMI CFM56-5B ターボファン 推力10,800kg x2
乗員:2名 乗客107~136名
・全幅: 34.10m(シャークレット装備機35.80m) ・全長: 31.45m ・全高: 11.76m
・最大離陸重量: 68,000kg ・最大巡航速度: 886km/h ・巡航速度: 840km/h
・航続距離: 5,950km
エアバスA330
エアバス・インダストリーが民間航空会社向けに開発した低翼双発大型ワイドボディジェット旅客機。
1970年代、エアバス・インダストリーはA300の開発が進む中、次期製品の検討が行われ、A300の胴体を延長した胴体延長型A300B9、A300の胴体を短縮した胴体短縮型A300B10、A300を四発としたA300B11が計画された。この中で次期製品として、1978年にA300B10がA310として開発され、A300B9、A300B11は同時開発する余裕がなく開発が延期された。
1980年に入り、開発資金の目途がつき、ワイドボディ機の計画名にTA(Twin Aisie:2通路)が付けられ、A300B9はTA9、A300B11はTA11と名前を変え、1982年に構想が発表された。エアバス・インダストリーはTA9とTA11を同時開発することを決め、1986年6月、TA9をA330、TA11をA340と命名、1987年6月、A330とA340を正式開発することを決定した。A340の開発を先行させた。
A330の胴体はA300の胴体を延長したもので断面・長さともA300と同一、断面形状はA300から引き継がれたワイドボディ。A330の主翼はA340の主翼構造と共通化。A330の尾翼もA340と同一設計、水平尾翼内に燃料タンクが設けられた。エンジンはGE社のCF6-80シリーズ、P&W社のPW4000シリーズ、RR社のトレント700シリーズから選択できた。A330の3機が試験飛行に用いられ、エンジンにGE CF6を搭載したA330の初号機は1992年10月に完成、11月に初飛行した。エンジンをRR トレント700に換装した機体は1994年1月に初飛行、P&W PW4000
搭載機の初飛行は1993年10月に行われた。
その後、A330の胴体を短縮、航続力を強化した胴体短縮型が計画され、1995年11月にA330-200として正式開発を決定した。これまでのA330はA330-300と呼ばれることになった。
A330-200でもエンジンはGE、RR、P&Wの3社のエンジンが選択可能とされ、エンジンにGE CF6搭載のA330-200の初号機は1997年8月初飛行、12月にP&W PW4000搭載機が初飛行した。
2001年6月、エアバス社は(この年エアバス・インダストリーはエアバスに社名変更)A330をベースとした貨物型の計画を発表、2007年1月、A330-200をベースにした貨物専用機A330-200Fの正式開発を決定、エンジンにRRトレント700とP&W PW4000を装備する仕様が設定された。A330-200Fの初号機はPW4000を搭載して2009年11月初飛行、2号機はトレント700を搭載2010年1月に初飛行した。
軍用型としてA330-200をベースにした空中給油・輸送機(MRTT:Muliti Tanker Transpout)の開発も行われ、2007年6月に初飛行している。
2012年11月、A330の航続力、収容力の強化を図り、A330-200/300をそれぞれ最大離陸重量を242tonに増強する改造型を発表、A330-300改造型が2015年1月初飛行した。
2012年2月、A330旅客型から貨物型への改修事業が立ち上げられ、A330P2Fを発表、2017年に航空会社に納入された。(P2F:Passenger-to-Freighter 旅客機から貨物機に)
2013年9月、近距離路線用にA330-300を軽量化したA330-300リージョナルの開発を発表、2016年8月に初号機を航空会社に納入した。
生産機数は2015年現在各型1,159機。
日本では2014年(平成26年)2月からスカイマーク社がA330-300(RRトレント700搭載)5機を導入したが、経営が悪化、2015年(平成27年)3月に全機を手放している。
A330 各型
・A330-300
エンジン:GE CF6-80 又は P&W PW4000 又は RRトレント700
最初の生産型 標準型 座席数270~375席 初飛行1992年11月
・A330-200
エンジン:-300と同じ
-300の胴体短縮、航続距離延長型 座席数375席 初飛行1997年8月
・A330リージョナル
-200を軽量化 短距離 初就航2016年8月
・A330-200F
エンジン:RRトレント700 又は P&W PW4000
-200をベースとした貨物型 初飛行2009年11月
軍用型
・A330MRTT
-200をベースとした空中給油・輸送機 初飛行2007年6月
A330-300 諸元
エンジン: GE CF6-80E1 ターボファン 推力31,700kg x2
又は P&W PW4074 ターボファン 推力35,000kg x2
又は RR トレント772 ターボファン 推力32,250kg x2
乗員:2名 乗客270~375名
・全幅: 60.30m ・全長: 63.69m ・全高: 16.83m 。最大離陸重量: 242,000kg
・最大巡航速度: 928.8km/h ・巡航速度: 886km/h ・航続距離: 11,300km
A330-200 諸元
エンジン:-300と同じ
乗員:2名 乗客 375名
・全幅: 60.30m ・全長: 58.82m ・全高: 17.39m ・最大離陸重量: 242,000kg
・航続距離: 13,400km
スカイマーク(SKY)のA330-300
・JA330A(A330-343E):登録2014年(平成26年)2月 抹消2015年(平成27年)3月
・JA330B(A330-343E):登録2014年(平成26年)2月 抹消2015年(平成27年)3月
・JA330D(A330-343E):登録2014年(平成26年)7月 抹消2015年(平成27年)3月
・JA330E(A330-343E):登録2014年(平成26年)9月 抹消2015年(平成27年)3月
・JA330F(A330-343E):登録2014年(平成26年)11月 抹消2015年(平成27年)3月
エアバスA330neo
2013年9月、エアバス社はA330に燃費向上の新型エンジン RRトレント700を搭載した航続距離を延長した「neo化」を発表、A330-200と同サイズ機体をA330-800neo、A330-300と同サイズの機体をA330-900neoと名付けた。機体構造の軽量化とシャークレット(ウイングレット)を装備することで航続性能が延長された。
A330-900neoの開発が先行し、2017年10月初飛行した。A330-800neoは2018年11月に初飛行している。2018年11月、A330-900neoが初就航した。
A330neo 各型
・A330-900neo
エンジン: RR トレント772 x2
-300のneo化型 座席数440席 初飛行2017年10月
・A330-800neo
エンジン:-900と同じ
-200のneo化型 座席数406席 初飛行2018年11月
A330-900neo 諸元
エンジン: RR トレント772 ターボファン 推力33,050kg x2
乗員:2名 乗客 440名
・全幅: 64.0m ・全長: 63.66m ・全高: 16.79m ・最大離陸重量: 251,000kg
・最大巡航速度: 918km/h ・巡航速度: 840km/h ・航続距離: 13,334km
A330-800neo 諸元
エンジン:-900と同じ
乗員:2名 乗客 406名
・全幅: 64.0m ・全長: 58.82m ・全高: 17.39m ・航続距離: 15,100km
エアバスA340
エアバス・インダストリーが民間航空会社向けに開発した低翼四発中型ワイドボディジェット旅客機。
1980年代、エアバス・インダストリーはA300の次期製品としてワイドボディの双発機と四発機の二種類を計画、1987年に双発型をA330、四発型をA340として同時に正式開発することを決定した。市場調査の結果四発機A340の開発作業を先行することになった。
A340の胴体断面はA300、A310から引き継がれ、A340とA330は同一胴体断面を持ち、新設計の四発搭載の主翼とエンジン関係を除いて共通化された。
胴体延長型のA340-300、4機と短縮型のA340-200、2機の試作6機が製作され、エンジンにCFMI CFM50-6を搭載したA340の初号機、A340-300が1991年12月初飛行、A340-200は1992年4月に初飛行した。1993年3月、A340-200、A340-300が初就航した。
1996年4月、エアバス・インダストリーはA340の大型化、長距離化を計画、エンジンにRRトレント500を採用して超長距離型A340-500、胴体延長型A340-600の開発を決定した。A340-600の開発が先行、1号機が2001年4月、初飛行。(エアバス・インダストリーは2001年エアバスに社名変更)A340-500の1号機は2002年5月に初飛行した。A340-600の初就航は2002年8月、A340-500の初就航は2003年10月となった。
その後、新型エンジンを搭載した双発機が開発されることになり、収容力、航続力を増した経済性の高いA350XWBの計画が発表されたため、A340の受注は伸びず、2011年11月、エアバス社は全タイプのA340の生産を終了することを発表した。生産機数は各型合計377機。
日本では1990年(平成2年)全日空(ANA)がA340-300、5機を発注したが、その後、全機をキャンセルした。日本の航空会社による導入はなかった。
A340 各型
・A340-200
エンジン: CFMI CFM56-5C2 x4
短縮型 座席数240~260席 初飛行1992年4月 生産機数28機
・A340-300
エンジン: CFMI CFM56-5C2 x4
標準型 座席数295席 初飛行1991年12月 生産機数295機
・A340-500
エンジン: RR トレント556 x4
超長距離型 座席数313席 初飛行2001年4月 生産機数34機
・A340-600
エンジン: RR トレント560 x4
長胴型 座席数280席 初飛行2002年8月 生産機数97機
A340-200 諸元
エンジン: CFMI CFM56-5C3 ターボファン 推力14,790kg x4
乗員:2名 乗客240~375名
・全幅: 60.30m ・全長: 59.39m ・全高: 16.83m ・最大離陸重量: 275,000kg
・最大巡航速度: 928km/h ・巡航速度: 886km/h ・航続距離: 14,800km
A340-300 諸元
エンジン: CFMI CFM56-5C4 ターボファン 推力15,400kg x4
乗員:2名 乗客295~375名
・全幅: 60.30m ・全長: 63.66m ・全高: 16.63m ・最大離陸重量: 276,000kg
・最大巡航速度: 928km/h ・巡航速度: 886km/h ・航続距離: 13,700km
A340-500 諸元
エンジン: RR トレント556 ターボファン 推力25,400kg x4
乗員:2名 乗客310~375名
・全幅: 63.45m ・全長: 69.32m ・全高: 17.11m ・最大離陸重量: 380,000kg
・最大巡航速度: 928km/h ・巡航速度: 896km/h ・航続距離: 16,660km
A340-600 諸元
エンジン:-500と同じ
乗員:2名 乗客380~440名
・全幅: 68.45m ・全長: 74.77m ・全高: 17.29m ・最大離陸重量: 380.000kg
・最大巡航速度:-500と同じ ・航続距離: 14,630km
エアバスA350XWB
エアバス社が民間航空会社向けに開発した低翼双発中型ワイドボディジェット旅客機。
2006年7月、エアバス社はA330の後継機としてA330をベースに新型エンジンを搭載したワイドボディ機の新世代機をA350XWBと名付けその計画を発表した。(XWB:eXtra Wide Bodyの頭文字)
機体、胴体はダブルバルブ断面を採用、複合材(新素材)を多用、軽量化を図った。エンジンはRRトレント700を強化したXWB型を採用、航続力の強化を図った。
次いでA350XWBファミリーとしてA350-800(短胴型)、A350-900(長胴型)、A350-1000(-900の胴体延長型)、A350-900R(-900の航続距離延長型)、A350-900F(-900の貨物型)の計画を発表した。この発表からシンガポール航空が2006年7月、A350-900、20機を発注、これを受けて2006年12月、エアバス社はA350XWBの開発を決定した。
試作機5機を製作、2013年6月、A350の初号機が初飛行、2015年1月、A350-900として初就航した。2016年11月にはA350-1000も初飛行している。
日本では日本航空(JAL)がA350-900とA350-1000を発注、A350-900が2019年(令和元年)6月から2022年(令和4年)9月までに16機が導入されている。
A350-900 諸元
エンジン: RR トレント-XWB ターボファン 推力33,700kg x2
乗員:2名 乗客 391名
・全幅: 64.75m ・全長: 66.80m ・全高: 17.05m ・最大離陸重量: 280,000kg
・巡航速度: 916km/h ・航続距離: 5,900km
日本航空(JAL)のA350-900
・JA01XJ(A350-900):登録2019年(令和元年)6月
・JA02XJ(A350-900):登録2019年(令和元年)6月
・JA03XJ(A350-900):登録2019年(令和元年)9月
・JA04XJ(A350-900):登録2019年(令和元年)10月
・JA05XJ(A350-900):登録2019年(令和元年)12月
・JA06XJ(A350-900):登録2020年(令和2年)5月
・JA07XJ(A350-900):登録2020年(令和2年)
・JA08XJ(A350-900):登録2020年(令和2年)12月
・JA09XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)6月
・JA10XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)8月
・JA11XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)9月
・JA12XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)10月
・JA13XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)11月
・JA14XJ(A350-900):登録2021年(令和3年)12月
・JA15XJ(A350-900):登録2022年(令和4年)2月
・JA16XJ(A350-900):登録2022年(令和4年)4月
日本の航空会社保有機(2022年10月現在)
日本航空(JAL)保有機
・ボーイング737-800: 45機
・ボーイング767-300: 28機
・ボーイング777-200: 5機
・ボーイング777-300: 13機
・ボーイング787-8: 25機
・ボーイング787-9: 22機
・エアバスA350-900: 16機
日本トランスオーシャン航空(JTA)保有機(JALグループ)
・ボーイング737-800:1機
ジェイエア(J-AIR)保有機(JALグループ)
・Embraer ERJ-170:18機
・Embraer ERJ-190: 14機
日本エアコミューター(JAC)保有機(JALグループ)
・ATR42-600: 8機
・ATR72-600: 3機
(ATR:Avions De Transport Regional G.I.E.)
琉球エアーコミューター(RAC)保有機(JALグループ)
・デハビランド・カナデア DHC-8-400: 5機
北海道エアシステム(HAC)保有機(JALグループ)
・ATR42-600: 3機
全日本空輸(ANA)保有機
・ボーイング767-300ER: 20機
・ボーイング777-200: 2機
・ボーイング777-200ER: 8機
・ボーイング777-300: 5機
・ボーイング777-300ER:15機
・ボーイング737-800: 39機(ANAウイングスと共通事業機)
・エアバスA320-200neo:12機
・エアバスA321-200ceo: 4機
・エアバスA321-200neo: 22機
・エアバスA380-800: 3機
・ボーイング777F: 2機
・ボーイング767-300F: 9機
・ボーイング767-300BCF: 5機
エアージャパン(AJ)保有機(ANAグループ)
・ボーイング767-300: 1機
ANAウイングス(ANAW)保有機(ANAグループ)
・ボンバルディアDHC8-Q400: 24機
・ボーイング737-800: 39機(ANA共通事業機)
スカイマーク(SKY)保有機
・ボーイング737-800: 29機
ソラシドエア(SNJ)保有機
・ボーイング737-800:14機
スターフライヤー(SFJ)保有機
・エアバスA320-200: 4機
・エアバスA320-200W: 8機
エアドゥ(ADO)保有機
・ボーイング737-700: 4機(ANAの中古機)
・ボーイング767-300ER: 8機(ANAの中古機)
ピーチアビエーション(APJ)保有機
・エアバスA320-200: 13機
・エアバスA320-200W: 9機
・エアバスA320-200neo: 9機
・エアバスA321-200neo: 2機
ジェットスター・ジャパン(JJP)保有機
・エアバスA320-200: 19機
・エアバスA321-200neo: 2機
春秋航空日本(SJO)保有機
・ボーイング737-800: 6機
日本の昭和60年(1985年)から平成3年(1991年)までの間、景気が過熱そして急激に冷めた6年間をバブル時代と呼んでいます。昭和61年(1986年)に550万人の海外旅行者が平成2年(1990年)には1,000万人に上ったとあります。
日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)にハイテクジャンボ(B747-400)が平成2年(1990年)バブル期の頂点から導入が始まっています。バルブ崩壊後もジェット旅客機の導入はボーイング機にエアバス機も加わり衰えることなく続きます。
そして令和元年(2019年)からのコロナ禍で航空業界は一気に縮小、3年を経てウイズコロナと共にようやく出口が見えてきたようです。
ボーイング機、エアバス機、このジェット旅客機の機体形状はお互いによく似ています。外観からはその機種がよく判りません。日本機の場合胴体後部、水平尾翼前に機体記号が書かれています。これを手掛かりにジェット旅客機を眺めに羽田空港に出掛けたいと思います。
次のタイトルに進めます。タイトル4-8)「ここにもラッシュある 空港」、当時の(昭和45年、1970年)羽田空港、成田空港の様子を書かれています。(R4・11・20)