夏本番になってくると

松尾芭蕉の奥の細道で紹介された

「閑かさや岩に染み入る蝉の声」の俳句が頭に浮かぶ、

蝉の鳴き声しか聞こえず、

それがかえって静けさが募るように感じられ、

蝉の声は岩に染み込んでいるかのようだと表現されました。

 

太鼓持ちをしている時には、

黒いモノでもお客さんが白いと言えば、

ヘイその通りでと答える、

そこで旦那は、

ではカァーカァーと鳴いている鳥は何だと聞いてくる、

咄嗟にアレはカラスの影でしょうと答えた、

瞬時の返答と返答の中に少しは反骨精神も入れて、

しかも面白く答えるのが太鼓持ちの商売でしたから、

この俳句を拝見した時には深く考えさせられました。

 

山形藩の領内に

慈覚大師が開かれた立石寺という山寺があり、

とりわけ清らかで静かな所なので、

ぜひ一度見ておいた方が良いと、

尾花沢の紅花の問屋と

金融業で栄えた島田屋の清風らがしきりに進めるので、

少し回り道をして出かけたそうです。

 

当時は立石寺(りゅうしゃくじ)と言っていたが、

現在は(りっしゃくじ)と

読ませる石山の中に建てられたお寺で、

尾花沢から引き返すように出かけたそうです。

 

私も以前行って来た事がありました、

山寺登山口から石段を登る、

まず本堂の根本中堂は最古のブナ材で建築されていて、

中には不滅の法灯が有ります。

 

比叡山延暦寺が信長によって焼き討ちされた時に、

法灯は一度消えてしまったが、

以前に立石寺に分灯されていた法灯を分けもらって、

延暦寺の法灯は消失する事無く現在に続くのだそうです。

 

根本中堂から左に折れて宝物殿過ぎると山門、

この前で玉コンニャクが売っている、

これを食べて力を付けていよいよ山登りとなります。

 

阿弥陀堂の手前に、

芭蕉の句のセミ塚がある、

仁王門過ぎて左手に岩にへばりつく様に建つ開山堂や、

岩壁から突き出すように建つ五大堂は

山寺を一望出来る絶景、

そこを見て登って行くと重要文化財の三重塔、

一番奥が右が奥の院で、

左が大仏殿、両脇に石段がありました。

 

私は立石寺から出羽三山の羽黒山へ行って来ました、

羽黒山の登り口には大きな石の鳥居が有り、

随神門をくぐり継子坂を少し下ると禊川、

千年の爺杉とパワーを感じる五重塔を見て、

そこから石段が上まで続くいていました。

 

両側には杉の巨木が並ぶ一ノ坂、

二ノ坂、

茶屋が有って力持ちを頂くと

登山証明書を発行して下さった、

三ノ坂から松尾芭蕉も訪れたと言われている

南谷に右側に寄り道して行って来ました、

今は建物は無かったですが、

池の跡がありました。

 

羽黒山の参道の石段は2,446段だそうで、

山頂に三神合祭殿(月山・羽黒山・湯殿山)が祀られていて、

なんとここまで石段を歩いて登ら無くても、

有料道路を使えば車で行けますが、

やはり石段を登ってこそ値打ちがありました、

今だとモゥ歩いては行けないでしょう。