部活動で運動をしている中学生の左足第一趾の側爪廓に生じた、陥入爪の症例です。

 

少し変わったところがあります。

 

陥入爪の肉芽上に、皮角を生じている点です。

 

指に生じた繊維腫上の皮角でもないのです。

 

 

実は、この症例は、約一年間、他の皮膚科で一年間、液体窒素と抗生剤外用治療をしていた経緯があるのです。

 

つまり、皮角に見えるのは、液体窒素後に生じたかさぶたが連なってヤギの角状に形成されたのだと推測しました。

 

さて、治療は、爪の食い込みを改善することが、最重要なので、角状のかさぶたを切除し、肉芽を液体窒素し、コットンパック、アンカーテーピング、ステロイド入り抗生剤の外用を併用して経過を見ていました。

 

約1か月で肉芽は小さくなりましたが・・・・・

 

運動をしているため、治っていません。

 

そこで、上記の治療に加えて、クイック式ガター法を行いました。

 

運動制限はない状況で過ごしていただきました。

 

その結果、さらに肉芽は縮小し、初診から2か月半程度かかりましたが、完全に治りました。

 

その後、半年して拝見すると、全く普通のむくみのない足の指の状態でした。この時点が本来の完治になりますね。

 

 

初診時↓

 

 

ヤギの角状のかさぶた?

 

 

治療 半年後 ↓

 

いつも通りの運動をされているようです。

 

 

今後も、少しずつ陥入爪の治療例を紹介いたします。