62点

Rotten tomato 批評家 26% 観客 32% (24/7/20現在)

鑑賞回数 3回以上

対象者 マコーレー・カルキン

 

解説

総資産700億ドルという世界一の資産家の御曹司が、一族乗っ取りの陰謀を企む悪漢たちと対決するコメディ。主人公一家のリッチぶりを表現する超オーバーな描写の数々が笑わせる。一家の邸宅としてロケーション撮影されたのは、ノース・カロライナ州のアッシュビルに実在する広さ8000エーカーの大邸宅。監督は「ミスティック・ピザ」「ラブリー・オールドメン」のドナルド・ペトリー。ハーヴェイ・コミックスの同名漫画をモチーフに、「フリント・ストーン モダン石器時代」「メジャーリーグ2」のトム・S・パーカーとジム・ジェニウェインのコンビが脚色。製作は「リーサル・ウェポン」「ダイ・ハード」の両シリーズや「未来は今」などのジョエル・シルヴァーと、「ザ・ファーム 法律事務所」「ウォーターワールド」のジョン・デイヴィスの大物プロデューサー2人。撮影はドン・バージェス、音楽は「フォレスト・ガンプ 一期一会」のアラン・シルヴェストリ、美術はジェームズ・スペンサー、編集はマルコム・キャンベル、衣装はリサ・ジェンセンがそれぞれ担当。主演は「ホーム・アローン」2部作や「ゲッティング・イーブン」などキッズ・コメディの第一人者、マコーレー・カルキン。共演は有名なイギリスの舞台俳優で「カラヴァッジオ」などにも出演しているジョナサン・ハイド、「靴をなくした天使」のエドワード・ハーマン、「マイ・ガール2」のクリスティン・エバソール、「ラジオタウンで恋をして」のジョン・ラロケットら。キャスティングに当たり、カルキンの小ささが際立つように背の高い俳優ばかりが選ばれた。またスーパーモデルのクローディア・シファー、元大リーガーのレジー・ジャクソンが特別出演している。(映画.comより)

 

感想

「ホーム・アローン」シリーズは年齢が1ケタの時、映画を趣味とする前から何回も繰り返し観た映画で、そのころはまだほとんどファミリー向けのコメディくらいしか観ていなくて同じ映画を繰り返し観る、という感じだったのでやっぱりマコーレー・カルキンという子役は特別だったわけです。今でこそ「ホーム・アローン」シリーズが地上波で放送されるのも2~3年に1回くらいだと思うんですけど、90年代はたぶん毎年1回はやっていたと思いますし。

 

そうこうしている内に私が映画を趣味と言うようになるのが1995年なんですけど、この作品の日本公開が95年の春頃だったんですよね。なので映画館まで足を運びつつ、ただ映画雑誌もその頃から買ってもらっていたのでゴシップとかの記事も読むわけです。そうするとカルキンが調子に乗っているとか、もうこの頃の彼の映画が興行的にはハズレているという事も併せて知っちゃうんですよね。

 

実際は本人以上に父親が疎まれていたようなんですけど、いずれにしろ本作を以ってカルキンは映画出演から離れていくわけです。

 

ただ、私は同じく外れた「ゲッティング・イーブン」も含めてどうしても嫌いにはなれない部分もあるし、そういったフィルターを外して観てもそこまで酷くはないと今回鑑賞して改めて思いました。もちろん「ホーム・アローン」に比べるとスケールダウンしているのは間違いないですけど、先に本作を鑑賞していればそれなりに楽しめると思いますし、カルキン主演じゃなければファミリー向け映画としてのストーリーはそれなりに面白いと思っています。

 

そうは言っても確かに世界一の富豪の息子という設定にすることによって、どれだけ心は寂しい少年という側面があっても浮世離れしている部分が傲慢に見えてしまうという部分もあるというのは確かで、どうしても撮影時の態度の悪さみたいなイメージも併せて知っていたであろうリアルタイムの観客層からはウケないというのは仕方がないかなと思います。

 

とは言ってもIMDBによるとイライジャ・ウッドの方が当時イメージも良くてスタジオはウッド推しだったのをカルキンの父親がねじこんだ、なんていうエピソードも載ってましたけど、実際この映画はカルキンで正解だったと思います。やっぱり、ウッドだとイメージが優等生過ぎますし、前半の学校でいたずらしたり、フェンシングの剣で嫌味な同級生を突いたりするような場面あたりはカルキンの周囲の大人を舐めている「クソガキ感」みたいなものがあればこそだと思いますし。

 

今観ても、少なくとも配信で観る分にはそこまで文句を言うような映画ではないと思うんですけど、強いて言えば序盤で彼が式典に呼ばれる時に乗っているヘリとか、ボロボロじゃない? みたいな事は久々に見て発見しました。後は子どもの頃の初見時だったら招かれてマクドナルドだったら嬉しいけど、今だったらちょっとなって思ったり、こういった娯楽映画でも10年以上空けて鑑賞すると良くも悪くも新発見があるんだなあと思った次第です。