64点

Rotten tomato 批評家 94% 観客 81% (24/7/19現在)

鑑賞回数 初見

対象者 ウォルター・ヒル

 

解説

1936年、不況の嵐が吹き荒れるニューオリンズに流れ着いたチャニーは街で行なわれていた殴り合いの試合に参戦し、快勝を収める。彼と組んだマネージャーのスピードは強豪ジムを抱えるギャンディルに挑戦状を叩きつけることに。チャニー対ジムの試合は、激戦の末、チャニーの勝利に終わるが、その後ギャンディルはスピードを監禁し、チャニーに新たな試合を仕かけてきた。孤高の流れ者が壮絶なファイトを展開。脚本家として知られたウォルター・ヒルの初監督作品。(映画.comより)

 

感想

ウォルター・ヒル監督の作品はそこそこ観ているんですけど、すごく思い入れがあるという感じはほとんどないんですよね。特に「ストリート・オブ・ファイヤー」は全然好きじゃなくて、世間との評価にギャップがある感じです。

 

それでも本作は結構面白かったとは思います。もちろんB級映画ではあると思うので、年間ベスト、とかそういった類の映画ではないと思うんですけど、チャールズ・ブロンソンの出ている映画って私の世代だとあまり鑑賞する機会もないので、「大脱走」や「荒野の七人」は鑑賞しているんですけど、本作のように格闘アクション映画のブロンソンを観るのは初めてで、やっぱり現代のスターよりアクション自体が優れているとは言わないですけど、あまり類似した感じのスターが思い浮かばないという点ですごく良かったと思います。

 

それに対してジェームズ・コバーンはIMDBによると2番手だったことに不満だったらしいんですけど、やっぱりこの映画においてはアクションシーンを演じる余地が無かったと思いますし、2番手として借金を抱えても余裕があるように見せている感じであったり、詐欺師感みたいなものがすごく出ていて、でもやっぱりスターらしい風格があってものすごく贅沢なキャスティングになっていたと思います。

 

アクション場面に関しては無駄なBGMとかも無くていかにもウォルター・ヒルらしくてすごく良かったと思うんですけど、強いて言えばラスボスとスキンヘッドの男の順番、逆じゃない? って言うのは少し思ったのと、彼らの胴元がビジネスマンとしてずっとフェアに振舞っていたのが一瞬卑怯な手段に出ようとしたのがちょっと微妙だったかな、とは思うんですけどあえて言うなら、といった感じです。

 

それよりもむしろジル・アイアランド演じるヒロイン、ブロンソンの実生活の妻なわけですけど、ウォルター・ヒル映画においては女性の役割が結構曖昧だったり脱ぎ役な事が多いんですけど、この映画においてもちょっと中途半端な感じがして、これもまたIMDBによると彼女の場面が結構カットされていてブロンソンが気分を損ねてその後の依頼オファーを断ったらしいんですけど、別にラスト、彼女のためにブロンソンが全てを賭けるみたいな感じでも良いと個人的には感じたというか、ヒルの価値感では追わないのが男の美学なんでしょうけど、今の価値感とはそのあたり合わないんじゃないかなという、そこが一番違和感のあった部分でした。

 

とは言え例えば同じくヒルによる格闘アクションである「デッドロック」とかに比べると遥かに良いですし、彼の映画の中ではデビュー作でありながら上位の作品と言って良いと思います。