久しぶりに見た夢の話をしよう。


多分かつて通っていた小学校にいた。自分は腹痛だった。誰もいない廊下。ただ腹が痛かった。廊下に並んでいる教室からは、授業特有の騒がしさが漏れており、なんだか嫌気がさした。とりあえずトイレに行こうと思った自分は歩き出した。しかし、歩いても歩いてもトイレが見つからない。かつて通っていた小学校には、この道筋て行けば絶対にあるはずなのに、見つからない。図書室を通過し、ついに反対側の階段まで来てしまった。下に降りようと思ったが、このままでは職員室に降り立ってしまう。授業中にトイレに行こうとするガキが、職員室まで降りてきたら、教員たちはもう既に自分のズボンが手遅れになったと勘違いするだろう。そんなことは無い。ただ腹が痛くて、肛門が限界を迎えているのだ。脱糞させてくださいと懇願し、自由になれるその場所を探しているのに、全く見つからないのだ。助けてくれ教員共。でも降りる勇気などないので、引き返した。図書室を通過し、北館に向かうことの出来る渡り廊下を見やる。チャイムが鳴った。椅子の音がする。きっと終業だ。これはまずいと思ったが、いかんせん視界にトイレが入らないのだから仕方がない。立ち尽くした。授業が終わった教室から、がやがやとガキ共が飛び出す。自分のように腹を押さえている者もいる。彼らはこっちに向かって走ってくる。すると、急にトイレが出現した。急いで向かうが、中はたいへん混雑しており、とても自分の番が来るには時間がかかりそうだった。うわあ……となりながら、待つ。かつて通っていた小学校にはあるはずのない構造になっているトイレだった。個室が3つ並んでいるのは記憶の中と大差ないが、問題は本来小便器が設置されている場所に、小便器と和式便器の間を取ったような、つまり排便するための便器が並んでいたことだ。激臭である。個室で排便している真ん前で、青白いケツをしたガキ共が和式便器よろしく排便している。最悪だ。小学校版ソドムの市だ。しかも難儀なのは、その謎の便器は、配電盤のような四角形の上に、少し太い煙突のようなものがついており、その煙突に向かって発射しなければいけないということだ。誰がどんな体調で出したかも分からないものがこびり付いたその煙突に、全員肛門をあてがって排泄している。一応断っておくが、そんな便器はない。かつて通っていた小学校にも、全国どこを見ても、こんな不衛生極まりない便器はない。しかしここは夢の中、どんな事でもありうるように出来てしまっている。全員そこに尻を乗せ、煙突に入り切らない糞がミリミリとはみ出垂れだし、配電盤のような四角形はガタガタと揺れながらも、しっかりと壁に固定されているため落ちることはなく、全員、並んでいる者の少し上から排便している。自分の番はなかなかこない。個室、壁掛け、個室、壁掛け、だんだんと減っていく行列の先頭に来た。出来ることなら個室が空くといいが、夢の中でも自分は上手くいかなかった。壁掛けだった。しかも前に使っていたやつは、体格のいい草野球チームに入っている男だった。体格がいいと糞便もデカくなるのだろうか、茶と赤の混合したむせ返る湯気が、煙突からまだ吹き出ていた。よく見るとその配電盤のような四角形は、上部に透かし窓のようなものがついており、こいつは許容量を超えない限りは、中に吸い込まれないようになっているらしい。ついさっき、体格のいい男から捻り出されたこの糞は、まだ吸い込まれない。自分のが足されてようやく吸い込まれるのだろう。仕方がない。足を開き、不愉快に濡れて湿った煙突の上に跨り、肛門を当てがって、力を抜く。不愉快な音が響く。最も不愉快であることは、この自分の排便姿を、並んでいるヤツらが恍惚の表情で見ていることだ。ここまで来てようやく悪夢であることを自覚した。排便姿を見られ、汚い謎の便器に跨り用を足す。何たる拷問だ。それでも、腹痛には代えられない。地獄の排便を終えたあと、うんざりして便器から降りる。と、次のやつがなんの躊躇いもなしに跨って用を足し始めたところで

目が覚めた。昼の13時だ。カーテンが風で揺れている。遅刻で寝坊だ。着替えて外へ出た。悪夢を見た人間すら包み込むような秋の陽気が、体を包んだ。