森で出逢った狩人は

村の単純な男とは違って紳士。

赤ずきんは警戒しながらも

惹きつけられていく。

「服を着ていると人間。

裸になると狼に変わる。

結局、人?狼?どっち?

両方だよ。

男というものは人間と獣を

行ったり来たりする生き物だ。

悪者扱いしないでおくれ」


赤ずきんは半分警戒をとく。

 

うっかり護身用のナイフを渡し、

祖母に渡すを味見され、

狩人のペースにはまりピクニックへ。

 

賭けをしよう。

おばあさんの家まで

先についた方が勝ちだ」

赤ずきんが勝てば、

道に迷わないコンパス

手に入る。

狩人が勝てば、

キスと貞操を奪われる。

 

 

狼の血族

ニール・ジョーダン監督

1984年

サラ・パターソン

アンジェラ・ランズベリー

テレンス・スタンプ

デイヴィッド・ワーナー

トゥッシー・シルバーグ

ミッシャ・バージーズ

スティーヴン・レイ

①につづいて②は物語の後半です。

 

グリム童話の赤ずきんが元なので

「どうして目が大きいの?」

「お前をよく見るためだよ」

というくだりが後半に登場します。

 

蛙、烏、蜘蛛、蛾、こうのとりなど

森の生き物1つ1つに意味が込められ

思春期の女子が持つ

異性への恐れと好奇心

詰まっています。

 

 

  感想

ロザリーンは祖母から

女の復讐にまつわる言い伝えを聴いた。

 

私はこの話が一番好きです。

妊婦の復讐

ある村で

領主の息子の結婚披露宴が開かれた。

ウェディングケーキ入刀、

誓いのキスを横目に

身なりは上流でも

中身は獣のような列席者たちが

飲み食いしていると

村の女が現れ

「愛したことを忘れたの?」

御曹司にだまされた女は

大きなお腹を見せつけながら歩く。

固まる新郎。

女は毒づく。

「不実な人間より

狼のほうがよほど節度があるわ」

すると、鏡がひび割れ

貴族たちの靴を突き破り

獣の脚がのびてきた。

お前たちにお似合いの姿だ。

女の呪いで

狼に姿を変えられた貴族たちは

大混乱!森へと身を隠した。

残された使用人たちはニヤリ。

シングルマザーになった彼女は

狼の遠吠えを聴きながら

強くなった自分を誇らしく思う。

 

そういう教訓話をする祖母に

牧師が水を挿す。

「古くなった枝は切らないとね」

古い枝(祖母)の運命は?

 

後半で明らかになりますよ。

 

赤ずきんと狼が

「どちらが先に祖母の家に着くか」

賭けをして

先に着いたのは、狼。

祖母に悪魔と罵られ

攻撃され

怒りが頂点に達した彼は

心に秘めていた獣の顔をのぞかせる。

皮がむけて中身が飛び出す演出!

狼は祖母を倒します。

 

女の子が外の世界へ羽ばたくには

古い道徳観念が邪魔になる。

 

祖母が退場する意味

そういうことだったんですね。

何もしらない赤ずきんがやってきた。

おばあちゃんはどこ?

床に落ちている眼鏡を踏み、察する。

「さては祖母を食べたのね?」

身を守る赤いショールの役目も

これにて終了。暖炉で燃やします。

赤ずきんの中で

ときめく心と抵抗する心が闘います。

 

一度はライフル銃で狼に打撃を与え、

拒みますが

生まれ育った村を出て

狼の血族になる決意を固めるのです。

自分の居場所は、外の世界にある。

古いしきたりに別れを告げ

親の保護から巣立つんだ。

たとえ厳しい環境だとしても

私は私の道をゆく。

白い花の中央が

紅く染まっていく。

母親は娘の異変を感じ取る。

目の前に現れた雌の狼。

その首には娘の十字架が

下がっていた。

母親は銃を構える夫をさえぎり

こう叫ぶ。

「皆、娘を妨害しないで」

こうして、少女は大人に脱皮。

 

もしも、

 

あなたが美しい娘なら

 

知恵を持って道を進みなさい。

 

 

だけど、忘れないで。

 

狼の甘い口には牙があることを。