姉のアリスは若くして
娘としての寿命を終え、巣立った。
狼にそそのかされ道を外したのだ。
祖母はもう1人の孫娘に目を光らせる。
妹を姉の二の舞にさせるものか。
「よくお聞き。
ちゃんとした道を通るんだよ。
狼の甘い口には牙がある。
最初は親切そうに近づき、
やがてお前を堕落させ、地獄へ導く。
狼はどんな姿にも化ける。
行商人、狩人、貴族の御曹司、幼馴染、
牧師や聖職者は一番信用ならないよ。
森で胸毛の男に出くわしたら、
悪魔だと思ってお逃げ。
眉毛が繋がった男は特に用心するんだよ」
狼の血族
ニール・ジョーダン監督
1984年
サラ・パターソン
アンジェラ・ランズベリー
テレンス・スタンプ
デイヴィッド・ワーナー
トゥッシー・シルバーグ
ミッシャ・バージーズ
スティーヴン・レイ
不思議の国のアリスと同じく
眠る少女が不思議な夢をみる
幻想的なダークファンタジー。
ゴシックな世界観が美しい![]()
内容はピンクレディーのSOS。
♪男は狼なのよ 気をつけなさい
年頃になったなら 慎みなさい
羊の顔していても 心の中は
狼が牙をむく そういうものよ♪
メタファー映画って
台詞や行動を額面通りにうけとらずに
そこに込められた意味を読み解く
面白さがありますね![]()
序盤から
意味深な描写を飛ばしてきますよ。
姉が森を彷徨っていると
時計の針がすごい速さで進み、
今まで遊んでいたドールハウスや
人形に嫌気がさしてくる。
細長い柱が出現。
狼に襲われると
教会の前にコウノトリ。
…とまぁ、、
判りやすい性描写にドギマギ![]()
![]()
面白かったので
レビューを2つに分けます。
出演者
赤ずきんの祖母役は
アンジェラ・ランズベリー。
父親は「オーメン」で
首ちょんぱされたカメラマン役の
デイヴィッド・ワーナー。
さらに
テレンス・スタンプが悪魔役。
そして何と言っても
田舎くさいヒロインが可愛い。
天使と小悪魔のWの顔が
映えます![]()
感想
脇道は誘惑が多い。
世間知らずの孫娘ロザリーンは
脇道に苺があれば吸い寄せられ、
まだ林檎の良し悪しがわからない、
祖母は4つの言い伝えを語り
男女交際の心得を教えます。
初夜に消えた花婿
ある村の女が行商人と結婚。
花嫁のほうが床慣れしており、
花婿は初めてで緊張しすぎて
うまくいかず、そのまま失踪。
足元のハリネズミで自信のなさ(不安)
を表現するところがユニークです。
残された花嫁は新しい夫を迎え、
最初のうちこそ楽しかったが、
子育てと家事に追われイライラ。
でも表面上は穏やかに暮らす。
「このガキは?俺の子じゃない」
怒り狂い、みるみるうちに狂暴な
狼に変身していく。
SFX(特撮)を駆使し
グロテスクに狼へ変身する場面は
ザ・フライ(86‘) 遊星からの物体X(82‘)
など80年代らしいムードたっぷり!
妻の表情も鬼気迫ります。
あわやというところで
現在の夫が帰宅。
狼を退治し、難を逃れるのですが…
ミルク樽に落ちた狼の顔が
新婚の頃の優しい顔に戻ると
妻はふと昔を思い出し懐かしむ。
(もしも、あの頃に戻れたら…)
そんな妻を夫は張り倒すのだった。
祖母の話にロザリーンの顔が曇る。
「ひどいわ!
なぜ旦那さんは大切な奥さんを殴るの?」
「それはね、狼でなくても
男は女を我がものにすると
雑に扱ったり横暴になるもの。
覚えておきなさい」
祖母に対して、
母は倫理観をこえた女心を伝えます。
「おばあちゃんには判らないのよ。
女には男の中の狼(情熱)を
愛する心があるってことを」
祖母と母親、先輩たちの言葉は
それぞれ一理ありますねぇ![]()
2番目の話も興味深いです。
少年が男になる秘薬
森で彷徨う思春期の少年に
白い車が近づき、
後部席の紳士が手招きする。
「うまく使え。ムダにするなよ」
と、忠告しながら
おどけた微笑みで手渡した。
少年はもらった薬を胸に塗る。
すると、みるみるうちに胸毛が生え、
蔦が足をからめていく。
大人になる瞬間の不安と恐怖!!!!
少年の顔が大きくゆがむ。
あぁ、もう子供にはもどれない。
祖母の話をきいても
孫娘には男の生理がピンとこない。
ただ思うのは
「狼に変わるのは男のせいじゃない」
ということ。
異性への好奇心が芽生え、
幼馴染の少年も彼女を意識しはじめる。
「森へ散歩しようよ。
僕は道を外さないからさ」
若い2人を見送る村人たち。
昔からよく知る者同士だから、
親戚になったとしても構わない。
案の定、
少年は森へ入るとキスをせがむ。
ロザリーンは彼をまいて
ひとり森の奥へ進んでいく。
そこで鳥の巣をみつけた。
卵の中には赤ちゃんの像が。
つまり、卵子が整った。
初潮がはじまったことを意味します。
おしるしの報告を受けた母親は喜び
身体を清めるのを手伝います。
これからは自分自身で
大切な身体と心を守らねばなりません。
後半は
恐れを上回る、乙女の好奇心が
さらに加速していきます。
②へつづく。


























































